【最新号】

オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村 勉
豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック
・9月18日発表の豪8月雇用統計は、雇用者数が市場予想(2.10万人増加)に対して0.54万人の減少だった。失業率は4.2%で前月から横ばい。労働参加率は66.8%で前月(67.0%)から低下した。
・NY原油先物市場は3日続落。終値は前営業日比-0.89ドルの1バレル=62.68ドル(9月19日)。
・9月4日に発表された豪7月家計支出(MHSI)は前月比+0.5%で市場予想に一致。前年比は+5.1%で予想(+5.0%)を上回った。MHSIは7月分より小売売上高に代わる支出統計となっている。
・9月3日に発表された豪4‐6月期国内総生産(GDP)は前期比+0.6%、前年比+1.8%と共に市場予想(+0.5%、+1.6%)を上回った。
・8月27日に発表された豪7月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.8%、7月CPIトリム平均は+2.7%でともに前月(+1.9%、+2.1%)から伸びが加速した。
7月30日に発表された豪4-6月期CPIは前年比+2.1%(予想:+2.2%)で前四半期(+2.4%)から伸びが鈍化。また同CPIトリム平均は前年比+2.7%だった(予想:+2.7%、前四半期:+2.9%)。
・8月12日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。市場予想通り政策金利を3.60%に25bp(0.25%ポイント)利下げした。
今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ
好悪材料ともにあり、どちらに反応するか見極めへ
先週は17日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げを再開した。ただ、積極的な利下げを支持する姿勢は示していないことから、FOMC以降米ドルが広く買い戻されている。また、日銀金融政策決定会合では2名の審議委員が利上げを主張するなど、以前よりも利上げ観測が高まったことから、円も買われやすい。そのため、豪ドルは対円、対米ドルで弱含みやすい地合いが続いている。一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを受けて米3大株価指数は連日最高値を更新していることはリスクセンチメントに敏感な豪ドルを支える要因となろう。また、19日の米中首脳による電話会談を経て米中関係改善への期待感が高まっていることも、中国と交易関係の強い豪ドルにとってポジティブ材料だ。本日は豪州や米国にて注目の経済指標の発表がない。豪ドルは、上昇・下落要因がはっきりしているだけに、どちらの動きに追随するか見極めていきたい。
豪ドル/円 最新チャート分析

今後の注目材料
日米株価動向
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り、豪ドル/米ドルは晴れ。

【情報提供:外為どっとコム】
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- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
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お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所に所属する外国為替市場の為替アナリストが、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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2028年2月の豪ドル円予想
豪ドル関連に投資する上で、しっかり確認しておきたいリスク要因は、「財政引き締め」「新興国経済の落ち込み」「一段の利下げ懸念」「資源価格の下落」「世界的な天候不安」などが挙げられます。
2028年5月の豪ドル円見通し。当月始値 107.63、最低 106.01、当月最高 109.23。平均 107.62。月末 107.62。変更 0.0%。
オーストラリアは経済面で中国との関係が深く、オーストラリア統計局によると、2023年の輸出総額のうち約33%が中国向けだ。26日の豪ドルの下落はトランプ氏の投稿と同じタイミングで始まっており、米国と中国の経済面での対立が激しくなれば中国経済が下押しされる可能性があることが、オーストラリア経済の見通しを悪くする要因として意識されたようだ。
逆に、トランプ氏が中国との融和姿勢を示すなどすればオーストラリア経済にとって前向きな動きととらえられ、豪ドル高が進む筋書きも想定される。さらに日本銀行の追加利上げへの期待が後退するなどして、ドル円相場で円安が進んだ場合にも、豪ドル円相場で豪ドル高が進む可能性がある。
第一週 9月24日(水曜日)の豪ドル円見通し: 為替レート 98.07、 最高 99.54、最低 96.60。 9月25日(木曜日)の豪ドル円予想: 為替レート 98.51、 最高 99.99、最低 97.03。 9月26日(金曜日)の豪ドル円見通し: 為替レート 98.33、 最高 99.80、最低 96.86。 9月29日(月曜日)の豪ドル円予想: 為替レート 98.96、 最高 100.44、最低 97.48。 9月30日(火曜日)の豪ドル円見通し: 為替レート 98.81、 最高 100.29、最低 97.33。
オーストラリアの最大の輸出先は中国です。そのため、豪ドルは中国経済の影響を受けやすい傾向があります。 実際に新型コロナウイルスが流行った際、オーストラリアが新型コロナウイルスの起源に関する調査を中国に呼びかけたことを受け、中国はオーストラリアに対して輸入制限・関税引き上げの措置をとり、豪ドル相場急落を招きました。 現在は関係が改善され、輸入制限も解除されていますが、今後このような措置を新たに講じる可能性はゼロではありません。豪ドル/円を取引する際は、中国との関係や経済状況を都度チェックする必要があるでしょう。
豪ドル円相場は11月8日に中国政府が地方政務の債務問題への対応策を発表した際も豪ドル安に振れ、8日のニューヨーク市場の終値は前日比1.68円の豪ドル安だった。新華社通信によると、中国の藍仏安財政相はこの日、全国人民代表大会後の記者会見で地方政府の債務上限を6兆元分引き上げるとともに、すでに地方政府に対して発行を承認している特別債券のうち4兆元を2024年から5年間の隠れ債務の返済猶予にあてることを認めると発表。しかし金融市場では対策が不十分だと受け止められていた。
2028年4月の豪ドル円予想。当月始値 110.96、最低 106.02、当月最高 110.96。平均 108.89。月末 107.63。変更 -3.0%。
2028年7月の豪ドル円見通し。当月始値 110.48、最低 105.56、当月最高 110.48。平均 108.42。月末 107.17。変更 -3.0%。
2028年10月の豪ドル円予想。当月始値 108.38、最低 103.97、当月最高 108.38。平均 106.57。月末 105.55。変更 -2.6%。
9/7に石破首相が正式に辞任を表明したことを受け、9/8には97円43銭へ上昇。しかし、9/9に日銀の年内利上げ観測を背景に円買いが優勢となり96円82銭へ下落。日本とフランスが政局、米国とカナダは雇用悪化による金利先安観、さらに英国は財政悪化懸念など固有の売り材料を抱える一方、豪ドルについては豪中銀の利下げ観測の後退による買戻しがサポート。こうした中、9/10にはロシア軍のドローンがポーランドに領空侵犯した地政学リスクを嫌気した対ユーロでの豪ドル買いのほか、9/11の米新規失業保険申請件数の悪化を受けた9/12には対ドルで昨年11月以来の水準への豪ドル買いの流れを続け、98円42銭へ上昇し、98円12銭で取引を終えました。
2028年8月の豪ドル円予想。当月始値 107.17、最低 104.00、当月最高 107.17。平均 105.98。月末 105.58。変更 -1.5%。
2028年2月の豪ドル円予想。当月始値 108.74、最低 107.71、当月最高 110.99。平均 109.20。月末 109.35。変更 0.6%。
豪ドル相場に影響する主要な経済指標は、下記の4つです。
一方、このところのFX市場では日本銀行が12月18、19日の金融政策決定会合で利上げを決めるとの見通しが円高要因として働いている側面がある。ただ、物価上昇の根強さに手を焼くRBAの利上げをも排除しない姿勢は日銀と方向性が似ている部分もあり、中国経済への懸念を材料にした今後の豪ドル円相場の下落見通しを和らげる要因として意識される可能性もありそうだ。




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