
「ドル/円」を中心に前日の振り返りと当日の見通しをギュッとまとめて動画配信しました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
最新のマーケット情報まとめ
<ドル円相場に影響を与えた材料>
200日移動平均線を下抜け
米政府機関閉鎖への懸念
<ドル円は…>
147.65円前後まで下落 上値は重かった
<今日の注目材料>
米政府機関閉鎖への懸念
米9月ADP全国雇用者数、米9月ISM製造業景況指数
『最新のドル/円相場を解説』
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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今日のFX予想 米政府機関閉鎖 ドル円への影響は
本記事では、デルタ航空(DAL)の2025年7月発表2025年度第2四半期決算を振り返り、10月に控える2025年度第3四半期決算の見どころを解説します。夏場の旺盛な需要とプレミアム旅客の強さでトップラインを伸ばしつつ、燃料価格と運航コストのコントロールでマージンをどこまで維持できたかが最大の論点です。前回決算のハイライト7月10日の決算では、売上高は155億ドルと過去最高水準を更新し、需要は前年並みで安定、収益性の高い多様な収入源が引き続き堅調と報告しました。会社側は9–11%の営業利益率を前提に、Q3のEPSを1.25〜1.75ドル、通期EPSを5.25〜6.25ドルに“ガイダンス復活”と明確にしました。あわせて四半期配当を0.1875ドルへ25%増額し、資本還元の継続姿勢を示しました。市場コンセンサスに対して売上・EPSともに上振れだった点もポジティブでした。決算発表以降の主要ニュース7月以降は、配当増額の実施が予定通り進み、株主還元の継続性が確認されました。一方、米独立記念日前後の悪天候でアトランタなどが混乱し、短期的に運航品質が揺らぐ場面もありましたが、同社は迅速な復旧と顧客対応を発表しました。通年ではサプライヤー評価機関から運航品質で高い評価を受けており、ブランド力の底堅さは維持されています。燃料面では、足元の原油市況は在庫減少などを背景に持ち直し気味で、EIAの見通しでも価格はおおむねレンジ推移が想定されます。燃油費の急伸こそ回避されているものの、決算では燃料効率化の上積みと併せてコスト見通しの最新化がチェックポイントになります。今回決算の注目点第一の焦点はプレミアム需要とユニット収入の粘り強さです。デルタは企業渡航・上級クラス・ロイヤルティ収入など高マージンの源泉を幅広く持ち、1人当たりの単価維持に優位性があります。前回示した「多様な高マージン収入の回復継続」というメッセージが実績で裏づけられるか、地域別・キャビン別のコメントに注目したいところです。これが確認できれば、通期ガイダンス帯の上側に寄る期待が高まり、バリュエーションの再評価余地を生みます。第二はコストサイド、とりわけ燃油費と非燃油コストの動向です。原油は直近で反発局面ながら、極端な高騰は回避されており、同社の運航・整備・人件費の生産性向上や燃費改善の取り組みがどこまでマージンを下支えできたかが試されます。EIAの短期見通しが示す「レンジ内のエネルギー価格」と組み合わさるなら、ガイダンス据え置きでも市場はネガティブに反応しにくい構図です。逆に燃油費の上振れと運航混乱の再発が重なると、営業利益率の下押し要因になります。第三は運航品質とブランドの維持です。夏の気象混乱は一過性だったものの、決算コールでは完了率・定時到着率・顧客補償などの最新指標が語られる公算が高いです。大手の中で高い運航評価を積み上げてきた事実は価格決定力とロイヤルティ維持に直結するため、今期の実績と四半期後半の見通しは株価のセンチメントを左右します。第四は資本配分とフリーキャッシュフローです。前回はフリーキャッシュフロー30〜40億ドルの通期見通しが示されました。設備投資や機材計画、債務削減の進捗と、配当・自社株買い余地のバランスが強気・弱気の分水嶺になります。とくに、ガイダンスの「復活」を受けた株主還元の持続性が確認できれば、ディフェンシブに資金が流入する可能性があります。株価への示唆株価は年初からの戻り基調のなかにあり、直近は需給面の波乱と原油の戻りが上値の重しになっています。短期的な株価ドライバーは、①プレミアム需要の堅調さが数量・単価に映っているか、②燃油費と非燃油コストのコントロールで営業利益率が9–11%レンジに収まるか、③通期EPSガイダンス(5.25〜6.25ドル)が維持または上振れ方向に更新されるか、の3点に集約できます。配当増額で総還元は見栄えが良化しており、財務規律が保たれる限り、結果が“ガイダンス維持+運航品質の安定”であっても市場は安心感を持ちやすい。一方で、燃油の想定外上振れや運航混乱の再燃が利益率に影を落とすと、好業績ストーリーに割り引きが生じ、短期的な調整を招く可能性があります。発表当日は、ユニット収入のトレンド、営業利益率、燃料単価とヘッジ・効率化の影響、フリーキャッシュフローの創出力、そして通期見通しの“トーン”を素早く点検するのが有効です。まとめデルタの強みは、プレミアム旅客・ロイヤルティ・法人需要を軸にした多層的な収益モデルにあります。Q3決算は、その強みが業界全体の供給調整と安定した燃料環境のもとで再確認されるかの試金石です。数字が想定線をなぞり、通期ガイダンスの確度が高まるなら、株価は“安定成長の再評価”というシナリオを取り戻せます。逆にコストや運航品質でブレが出れば、防御的見方が勝り、評価は一時的に調整し得ます。いずれにせよ、投資家にとっては「マージンの持続性」と「キャッシュ創出力」の確認が最優先課題となるでしょう。
本記事では、ペプシコ(PEP)の2025年7月発表2025年度第2四半期決算を振り返り、10月に控える2025年度第3四半期決算の見どころを解説します。個人投資家にとっては、価格主導から数量回復への橋渡しが進んだか、そして年初に引き下げられた通期見通しを維持できるかが最大の論点です。前回決算のハイライト7月17日のQ2決算は、売上が市場予想を上回り、コアEPSも2.12ドルとコンセンサスを小幅にビートしました。北米のスナック・飲料は数量面で弱さが残った一方、国際部門の伸長と値上げの定着で全社売上は底堅さを維持。もっとも、減損や為替・コスト要因の影響で純利益は下がり、収益の質には課題が残る内容でした。会社側は2025年通期ガイダンス(有機売上の伸びは低一桁、コアEPSは概ね横ばい)を基本線として再確認し、慎重姿勢を崩していません。決算後に出た主要ニュース夏以降のトピックは三つあります。第一に、ガイダンスの文脈。年初から通期見通しは下方修正され、関税・コモディティ・消費鈍化への防御を優先するスタンスが続いています。直近も「通期コアEPS横ばい」を前提とする見方が広がり、評価軸は“増益幅”より“持続性”へと移っています。第二に、商品・価格戦略の修正です。北米のボリューム軟化を受け、同社は“高価格帯の反動”を和らげるため、人工添加物を抑えた再設計や、バリュー価格帯ブランドの押し出しを強化。低糖・無糖飲料やたんぱく強化など健康志向の提案も進め、数量回復の地ならしを図っています。第三に、マクロ要因の整理です。アルミ関税などコスト上振れリスクは続く一方、原材料は総じてレンジ内。GLP-1系減量薬の普及がスナック・清涼飲料の長期需要に与える影響は投資家の関心事ですが、同社トップは現時点の影響を限定的とみるスタンスで、ポートフォリオでの吸収力を強調してきました。今回決算の注目点第一の焦点は数量トレンドの底打ちです。Q2は国際の堅調と価格効果で全社は持ちこたえましたが、北米では“値上げ後遺症”が残りました。Q3でプロモーション最適化とバリューブランドの拡充が功を奏し、スナックと炭酸の実売数量が持ち直しているかを見極めたいところです。ここが確認できれば、売上の“質”改善として市場は好感しやすく、短期的な株価の上振れ要因になります。第二は粗利率と広告販促(AM)のバランスです。原材料や物流の急騰は落ち着いたものの、関税負担や人件費は重しです。Q3での粗利率の改善が広告投資の再加速と両立していれば、通期横ばいガイダンスの“中身”は実質的に前向きへ。逆に販促の積み増しで数量は戻ったがマージンが伸びない、という構図だと、市場は来期への体力を慎重に評価するでしょう。第三はセグメント別の温度差です。PepsiCo Foods North America、PepsiCo Beverages North Americaの数量回復に加え、国際部門の伸びが維持されているかが鍵です。前回は国際が牽引役でしたが、北米のボリュームミックスが改善しないままでは、来年の増益シナリオに説得力が出ません。無糖・低糖飲料、プロテイン系スナックなど健康志向のSKUの伸長が示されれば、GLP-1普及下でも耐久性のある需要を証明できます。第四は資本配分と株主還元です。ペプシコは配当貴族の代表格で、減益局面でも配当方針は堅い一方、今年は自社株買いの強度が注目されます。フリーキャッシュフロー(在庫・売掛のコントロールを含む)が予定線に乗れば、ガイダンスが横ばいでも“キャッシュ創出力の安定”が株価の下支えになり得ます。逆に、運転資本の膨張が顕著なら、足元の評価は重くなります。株価への示唆足元の株価は年初の下方修正やディフェンシブ株全般のバリュエーション見直しを織り込みつつも、依然として“信頼できる横ばい”のガイダンスに連動しやすい地合いです。短期ドライバーは三点に集約されます。第一に、北米の数量が反転基調にあると読めるか。第二に、粗利率改善と広告投資の両立で来期の成長投資余地が示されるか。第三に、キャッシュ創出力を背景とした安定的な還元方針が確認されるか。これらがそろえば“最悪期通過→来期回復”の物語が強まり、ディフェンシブ内相対での資金回帰が見込めます。逆に、数量が戻らずマージンも横ばいにとどまれば、評価は一段と“利回り銘柄”としてのレンジ相場色を強めかねません。イベント当日は、セグメント別の実売数量、価格・ミックス効果、粗利率、AM支出、運転資本・FCF、そして通期見通しのトーンを手早く点検したいところです。まとめ今回のペプシコ決算は、価格主導から数量回復への“着地の巧拙”を測る局面です。北米での需要の戻りと、国際の勢いの持続、さらに粗利率と投資配分のバランスが改善していれば、横ばいガイダンスでも株価は評価修正を受けやすい。反対に、数量の弱さが続くなら、配当の安心感はある一方で上値は限定的になるでしょう。決算資料のサマリーと経営陣の準備資料は例年詳細で、当日の早朝に公開されます。まずはそこで数量の底打ちと投資配分の手応えを確認し、コールで来期の需要見通しと関税対応の具体策を追うのが実務的でしょう。
・ドル・円、200日移動平均水準149円72銭。



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