田園都市線の脱線 信号に設定ミス
東急電鉄によると、田園都市線は6日始発から渋谷―鷺沼間で運転を見合わせ、鷺沼―中央林間間で大幅に本数を減らして折り返し運転している。田園都市線と一部の列車が直通運転している大井町線も、大井町―二子玉川間で大幅に本数を減らして折り返し運転している。
社会部・田頭祥デスクが解説します。――今回の事故、大きな問題点は何だと思いますか?鉄道の安全というのは、電車が進む方向にとにかく障害物があってはいけない。障害物があったら赤信号が出るというのが基本です。今回の回送電車、見習いの方が運転していた、スピードオーバーで止まってしまった、後ろではみ出してしまった。そういった問題はあるかもしれませんが、では、なぜそういった状況、線路を使用している状況で上り電車が進んでしまうような信号が出ていたのか。それとも、赤信号だけれども進んでしまったのか。その辺がポイントになると思います。――本来であれば停止を指示するような信号ということですが、なぜ作動しなかったのか。考えられることは、1つはシステム。赤信号が出るはずが出なかった、故障。私は考えにくいと思います。もう1つ、はみ出た車両がふさいでいるのだけれども、最後まではみ出ているという状況を、このシステムが、線路に障害物がありますというふうに検知していないという可能性。つまり、信号システムに盲点があったのではないかということを考えないといけないと思います。もう1つあるとすれば、なんらかの原因で信号の安全のシステムが一部解除された。それは、回送電車を再び走らせるためなのかどうかは分かりませんが、一時的に解除したタイミングで電車が走ってきた。そういったことが考えられると思います。
事故原因については、駅構内で列車に送る信号の設定条件に誤りがあったため、列車同士の衝突が起きたとの見方を示した。
田園都市線と東京メトロ半蔵門線との直通運転も取りやめており、東京メトロによると、半蔵門線の列車は渋谷で折り返して運転する。
東急電鉄から報告を受けた国土交通省によると、回送列車の乗員は見習い運転士、運転士、車掌の3人。回送列車は留置線に入る際、オーバーランを防止する信号が作動し、決められた停止位置より手前で止まった。見習い運転士はブレーキを解除して所定の位置まで進もうとしたが、衝突を避けるため周囲に異常を知らせる「防護無線」を受信したため、そのまま停止していた。
オーバーラン防止の信号が出た原因は分かっておらず、運輸安全委員会が事故の原因を詳しく調べる。
東急電鉄田園都市線の梶が谷駅(川崎市高津区)で5日夜に起きた列車同士の衝突・脱線事故について、東急電鉄は7日、都内で記者会見を開いた。福田誠一社長は「大変多くのお客様に迷惑と心配をかけた。厳粛に受け止めている。深くおわびします」と謝罪した。


コメント