
今週のNY市場は第3四半期決算発表に注目。先週はダウ平均が1278.68ドル安(-2.73%)、S&P500が2.43%安、ナスダック総合が2.53%安となり、主要3指数がそろって大幅反落した。政府機関の一部閉鎖が続き経済への悪影響が懸念されたものの、AI関連株の上昇が支援となり、S&P500とナスダック総合は金曜日の朝方まで週間で上昇ペースで推移した。しかし、トランプ米大統領が中国のレア・アース輸出規制を理由に、中国からの輸入品に対して大幅な関税を課す方針を発表したことで米中貿易摩擦懸念が強まり、ハイテク株を中心に利益確定売りが強まった。金曜日はナスダック総合が3.56%安、S&P500が2.71%安と4月10日以来の大幅安を記録し、ダウ平均も1.90%安と5月21日以来の大幅安となった。
今週は政府機関閉鎖の長期化や貿易を巡る米中関係悪化が引き続き相場の重しとなることが予想されるが、発表が本格的にスタートする企業の第3四半期決算に注目が集まる。決算発表はS&P500採用の30銘柄強が発表予定で、シティグループ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴなどの大手金融機関のほか、アボット・ラボラトリーズ、ジョンソン&ジョンソン、アメリカン・エキスプレス、SLBなどの決算やガイダンスが注目される。また、AIトレードの持続性を巡り、オランダのASMLホールディングや台湾セミコンダクターの決算にも要注目となる。経済指標は政府閉鎖の影響で水曜日に予定される9月消費者物価指数(CPI)の発表が延期になる見通しだが、木曜日の9月小売売上高のほか、9月生産者物価指数(PPI)も発表される見込みで、経済指標の発表が少ない中、9月小売売上高と9月PPIが焦点となりそうだ。
今晩はコロンブスデーの祝日で、債券市場が休場。主要な米経済指標・イベントはなし。企業決算は寄り前にファスナルが発表予定。(執筆:10月13日、14:00)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
ただ この会合で物価見通しは大きく上方修正された
ウエルスアドバイザー社が提供する、主要国の金利・為替に関するレポートです。 前週分の振り返りと、今後の為替見通し・注目すべき経済イベントなどの情報をお伝えしますので、ぜひ債券をご購入の際に、ご参考として本レポートをご利用ください。
・4-6月期決算は売上が前年同期比11%増、調整後EPSは同61%減ながら、それぞれ市場予想を4%、14%上回りました。発電機の受注が前年同期比44%増と極めて好調で、通期の業績見通しを引き上げました。AIデータセンター投資の拡大が電力需要の拡大見通しにつながり、発電機への需要を刺激しているとみられます。
今週はトランプ関税の先行き不透明感が引き続き上値の重しとなることが予想される中、最高値圏にある株価の上昇余地をめぐり、企業業績や物価動向が焦点となりそうだ。企業業績を巡っては今週から第2四半期決算発表がスタートする。JPモルガン、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカなどの大手金融機関のほか、ジョンソン&ジョンソン、ユナイテッド・エアラインズ、GEエアロスペース、 ネットフリックス、3MなどS&P500採用の約40銘柄が発表予定で、関税による景気減速が懸念される中、決算結果や発表される業績見通しが注目される。経済指標では、先行きの利下げ見通しを巡り、火曜日の6月消費者物価指数(CPI)、水曜日の6月生産者物価指数(PPI)、金曜日の7月ミシガン大1年先・5年先期待インフレ率速報値などのインフレ指標が注目される。関税によるインフレ加速が懸念される中、物価が引き続き抑制的な伸びにとどまれば、利下げ期待の高まりが株価の支援となりそうだ。このほか、6月鉱工業生産、6月小売売上高、6月住宅着工件数なども発表され、足もとの景気動向にも要注目となる。
日銀の政策スタンスにも注目。先週開催された日銀の金融政策決定会合後の植田総裁の会見はハト派的だった。ただ、この会合で物価見通しは大きく上方修正された。週末に公表される金融政策決定会合「主な意見」(7月30~31日開催)では利上げに前向きなタカ派的な意見が出てくる可能性がある。先に発表される経済指標で米景気懸念が和らいでいればよいが、そうでない場合、「主な意見」を機に円高がさらに進む可能性がある。米景気懸念を背景に、日銀が利上げに踏み切れなくなったとの見方もできるが、為替動向には注意しておきたい。一方、週末には自民党の両院議員総会が開かれる。石破首相の退陣観測が高まれば、野党の財政拡張への思惑から「円安・株高」圧力がかかりそうだ。
パウエルFRB議長が9/23(火)の講演で、今後の利下げ見通しについて慎重な姿勢を示したほか、株式市場のバリュエーションが高いとコメントして高値警戒感を生みました。さらに、4-6月期の実質GDP確報値が上方修正されるなど、堅調な景気指標を受けて市場の利下げ期待が後退して、相場にネガティブに作用しました。


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