来週の為替予想(米ドル/円)「0.5%利下げ期待後退、FRBインフレ退治は未完了」ハロンズ FX 2024/8/17

FXブログ
来週の為替予想(米ドル/円)「0.5%利下げ期待後退、FRBインフレ退治は未完了」ハロンズ FX 2024/8/17
 

f:id:gaitamesk:20210907122100p:plain

執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

執筆日時 2024年8月16日 7時25分

0.5%利下げ期待後退、FRBインフレ退治は未完了

米ドル/円149円台へ、米景気への悲観論後退!

米ドル/円は、ショートカバー主導で148.224円まで持ち直す中、NY連銀調査のインフレ期待がいずれも前月から低下しディスインフレ期待が広がったほか、中東情勢の緊張、岸田首相の自民党総裁選への不出馬表明が重しになり、146.083円まで下げました。しかし、市場予想を大きく上回った米小売売上高(7月:前月比1.0%、6月:-0.2% ※0.0%から下方修正)を受けて米景気減速懸念が和らいだため、米ドル/円は149.362円まで上昇幅を広げました。(各レート水準は執筆時点のもの)

米小売統計Live ドル円2円急騰、1万人超で楽しく「FX」 (2024年8月15日)

※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

見通しの幅広がる

9月FOMCを巡り8月2日の弱い米雇用統計のヘッドラインを受けて強まった米景気後退不安は、直近の新規失業保険申請件数や消費の底堅さが維持されていることを示すデータから和らいでいます。米国経済への信頼感が持ち直すにつれて、これまで『0.25%利下げ』と『0.5%利下げ』が拮抗していた9月FOMCに対する見通しも、『0.25%利下げ』が大勢を占めるところまで戻しています。今後の経済データによっては、『据置き』か『0.25%利下げ』が拮抗する状態までシフトしていくことも想定されます。その場合、米ドル/円がもう一段上を試すことは十分にあると見ています。

来週の新規失業保険申請件数やPMIが、米国経済への楽観的な見方を強め、米ドル/円を押し上げる着火剤となるか注目されます。また、FOMC議事要旨やジャクソンホール年次経済シンポジウムでのパウエル議長講演はディスインフレ進展に対しFRBが自信を深めつつある様子が示されると考えます。しかし、インフレ退治が完了したとの見解は示されず、利下げはファンダメンタルズ次第との立場が踏襲され、目新しい話題は出てこないかもしれません。何れにしても、FOMCでの利下げを巡る思惑が流動的となったため、米ドル/円は一連の経済イベントに一喜一憂するのではないでしょうか。

150円抜けても上値限定(テクニカル分析)

米ドル/円は、200日移動平均線(15日時点、151.463円)を下抜けして141.661円まで下げ幅を広げたところからの反発が続いています。7月10日高値(161.808円)からの下落幅の38.2%戻しとなる149.357円の明確な上抜けも近そうです。ただ、このレベルを上抜けしたとしても、21日線(15日時点で150.569円)、200日線が控えており上値抵抗は厚めです。150円を超えても伸びしろは限られるかもしれません。一方で、下方向は8月14日安値の146.083円付近が下値の目途と考えています。

【米ドル/円チャート 日足】

ドル円 日足チャート

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:
USD/JPY:146.000-151.000

8/19 週のイベント:

スケジュール

外為どっとコム「経済指標カレンダー」

一言コメント

この1週間で台風が4つ発生とは、さすがに凄いと感じます。地球温暖化への対応が急がれますが、なかなか決定打は見つかりそうにありません。日々、自分で出来る節約を心掛けるようにしたいです。

 
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 来週の為替予想(米ドル/円)「0.5%利下げ期待後退、FRBインフレ退治は未完了」ハロンズ FX 2024/8/17

来週の為替予想 米ドル 円

来週のドル・円は160円に向けて上昇し、約34年ぶりの高値に迫ると予想されている。米国で弱い経済指標が続く中でも連邦準備制度理事会(FRB)は早期利下げに慎重で、低金利の円を売って高金利のドルを買うキャリー取引の需要が根強い。日本の通貨当局による円買い介入のタイミングが焦点で、介入を警戒しつつも緩やかにドル高・円安が進むとの見方が出ている。

この日発表の6月の米CPI(消費者物価指数)は、2020年5月以来4年ぶりの前月比マイナスとなり、米インフレ率の鈍化が明らかになった。FRB(米連邦準備制度理事会)の「9月利下げ」期待が再浮上するなかで、米長期金利は4.15%前後まで低下し、日米金利差は今年最狭水準まで縮小した。これを受けてドル/円は4円超の大幅下落。夜遅くには157.42円まで下落した。終値は158.89円。24時間のレンジ幅は4.34円。

弱い米CPIでドルに売りが入ったとはいえ、ユーロなど他通貨と比較しても、円の動きが「異常」だったことから、マーケットでは介入があったとの噂が流れている。

ドル・円の上値メドは7月3日の年初来高値162円ちょうど近辺、下値メドは13週移動平均線の157円30銭近辺。

ドル/円は、まだ買ってはダメ!  週末「為替介入第二弾」の可能性?

8-11日のドル・円は上昇した。週明け8日は、前週末の米6月雇用統計を材料視したドル売り・円買いが一服し、下げ渋りの動きとなったが、NY連銀が発表した6月の消費者調査で1年先の予想インフレ率が低下したことから上値も重かった。9日は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が米上院で議会証言に臨んだが、利下げ時期についての明言を避けるなど新味に乏しかったことから米長期金利が上昇し、ドル高・円安が進行。10日は、ユーロや英ポンドに対する円売りが対ドルにも波及し、底堅く推移した。11日、米6月CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回り、米9月利下げ開始が意識されるなか、日本の通貨当局による介入観測もあって、ドル・円は約3週間ぶりに157円台まで急落した。

足元の米経済指標は、月初の米6月ISM製造業/非製造業景気指数や、前週末の米6月雇用統計に加え、11日の米6月CPIと、弱いものが目立っており、9月の利下げ開始観測が浮上している一方、米経済の先行きに対する懸念も強まっている。小売や住宅関連にも弱さがみられるようだと米景気低迷を警戒したリスクオフのドル売り・円買いが強まる可能性がある。

図表4は、AIが予測した各シナリオにおけるドル円レートの推移と、各シナリオの発生確率を示している。AIの分析によると、最も発生確率が高いのは「現状維持シナリオ」で40%となっている。これは、短期的には急激な変化よりも緩やかな推移が予想されることを示唆している。次いで高い確率が割り当てられているのは「日米金融政策収束シナリオ」で30%である。この二つのシナリオで全体の70%を占めており、AIは比較的安定した市場環境が継続する可能性が高いと予測していると解釈できる。一方、「グローバル経済混乱シナリオ」には20%の確率が割り当てられており、世界経済の不確実性も無視できない水準で存在していることを示唆している。

ドル/円のこの下げは中期的には絶好の買い場かもしれないが、慌てて買うことはせず、慎重に見定めたい。介入は1回で終わりとは限らないからだ。今年は4月29日と5月1日で、いずれも指標発表後や流動性の低い時間帯を狙った介入だった。今夜のNY市場終了間際、東京市場が休場となる来週月曜早朝などは政府・日銀が投機的な動きを叩き潰そうと待ち構えているおそれがある。

7月のドル/円のレンジは、157.42円から161.95円。 高値と安値の50%(中間点)は、159.69円。 中立点から見て現在の水準は、「円高」。

来週(15-19日)は、米6月小売売上高のほか、米住宅関連指標も多く、米景気に対する見方が為替相場に影響しそうだ。小売売上高は消費動向を直接表すものであり、住宅の動きも家具や家電製品などの需要を左右する。

コメント

タイトルとURLをコピーしました