背景にあるのが『人工ダイヤモンド』人気
天然ダイヤモンドの価値は、人工ダイヤモンドの台頭、市場構造の変化、為替の影響など、様々な要因によって大きく変動しています。さらに、個人オーナーが売却する際には、知識不足が原因で本来の価値よりも低く評価されてしまうリスクがあります。
ダイヤモンドは買取受付をしている店舗が多い一方で、その価格が下落傾向にあるとも言われています。その理由には、人工ダイヤの進化が挙げられるでしょう。
特に、環境意識が高まる中で、環境への影響が少ない人工ダイヤモンドへの関心が増していることも、ダイヤモンドの市場に変化をもたらしています。これにより、天然ダイヤモンドの価値は一部で変動する可能性があります。
地球深部の高温高圧下で、何億年もの時間をかけて生成される天然ダイヤモンドに対して、実験室や工場で数週間から数ヶ月という短期間で生成される人工ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと同じ炭素結晶構造を持ち、見た目はほとんど区別できません。発掘や加工、流通コストなども圧倒的に安価で、環境負荷も低いため、安定的な供給と品質の高さから、急激に人気を伸ばしています。
（金善規マネージャー）「レーザーを通して天然か人工ダイヤかを判別する機械です」
また、近年発達が目覚ましい「人工ダイヤモンド」についても考慮しておかなければなりません。人工ダイヤモンドとはラボグロウンダイヤモンドとも呼ばれ、天然ダイヤモンドと遜色ない品質のものがつぎつぎと登場しています。
では人工ダイヤはどのようにしてつくられるのか。人工ダイヤの“核”となる『種結晶』を国内で唯一製造する会社が大阪にあります。 （イーディーピー 藤森直治社長）「これがダイヤを成長させる代表的な装置のマイクロ波プラズマＣＶＤです」
（大黒屋ブランド館心斎橋大丸前店 金善規マネージャー）「天然より人工ダイヤのほうが、相場が激しく動いているなかで、安定性がほとんど見られない状況になりますので、（人工ダイヤの）買い取りは行っていない状況でございます」 輝きは天然と同等でも価値がまだ確立されていないため、買い取っても高値で売却できない可能性があるのです。プロの目でも判別は難しいため機械を使います。
近年、ラボグロウンダイヤモンドと呼ばれる人工ダイヤモンドの技術が進化し、市場に出回る量が増えています。人工ダイヤモンドは天然ダイヤモンドとほぼ同じ成分・構造を持ちながらも、比較的安価に製造できるため、ジュエリー市場での需要が拡大しています。
国際社会情勢の不安から金などの貴金属の相場が高騰するなか、お値打ちになっているのが天然ダイヤモンド。国際取り引き価格は、2023年からの2年間で約4割安くなっています。背景にあるのが『人工ダイヤモンド』人気。一体どんなダイヤなのか取材しました。
近年、ダイヤモンド市場は変化しています。従来は天然ダイヤモンドが主流でしたが、技術の進化により人工ダイヤモンドが登場し、需要が急増しています。これにより、天然ダイヤモンドの価格は一部で安定していますが、人工ダイヤモンドの価格は比較的安価であるため、今後の市場動向には注目が必要です。
しかし近年では、ロシアのアルロサ社をはじめとする新興勢力の台頭や、デビアス社自身による方針転換が、市場に大きな影響を与えています。デビアス社は人工ダイヤモンド市場への参入を表明し、自社ブランド「ライトボックス（LightBox）」を立ち上げました。これは、天然ダイヤモンドの希少性や価値を守るという従来の戦略から大きく舵を切ったことを意味します。
さらに、人工ダイヤモンドの認知度も上がってきており、単純に天然ダイヤモンドのライバルとしての影響力も強めています。人工ダイヤモンド自体はメリットも多いため暗いニュースではありませんが、天然ダイヤモンドの価格変動に影響を与えるほど大きくなっていることは、認識しておきたいところです。
（金善規マネージャー）「１回目で人工ダイヤの判定が出ています」
3つ目が、為替や人工ダイヤモンドの登場です。ダイヤモンドは、世界中で取引される国際商品であり、おもな取引通貨は米ドルとなっています。そのため、為替レート、とくに円とドルの為替レート（円ドル相場）の変動が、国内のダイヤモンド価格にも影響します。
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