荒れた株主総会 日産再建の懸念点
アクティビスト(物言う株主)のストラテジックキャピタルは日産上場子会社の日産車体(平塚市)の株式保有の見直しなどを株主提案したが、否決された。丸木強社長は「株主の利益を保護するためには完全子会社化して迅速にリストラを進めてほしい」と求めた。
総会には昨年より400人以上多い1071人が参加した。社外取締役を含む取締役12人の選任など会社提案の2議案を可決した。取締役の報酬の見直しや、上場子会社「日産車体」の完全子会社化などの検討を求める株主提案の5議案は反対多数で否決された。
日産は2025年3月期決算で、過去3番目に大きい6708億円の純損失を計上した。予定していた従業員の削減人数を2万人に拡大し、世界で7工場の削減を計画している。国内では追浜(おっぱま)工場(神奈川県横須賀市)と子会社の湘南工場(同県平塚市)の閉鎖が検討されている。
再建計画は「絵に描いた餅」「情けない」─。24日の日産の株主総会に参加した株主から、足元の経営危機に対する悲観が漏れた。
経営再建中の日産自動車の株主総会が24日、横浜市の本社で開かれた。4月に就任したイバン・エスピノーサ社長ら4人の取締役が新たに選ばれ、新体制が正式に発足した。株主からは業績の低迷などについて批判が相次いだ。エスピノーサ社長は「皆さんのフラストレーションはよくわかるが、引き続き温かい支援を」と呼びかけた。
大荒れとなった株主総会ですが、エスピノーサ体制がこれで確定。今後の手腕が問われることになります。
そう考えると、クルマというのは典型的なイメージ商品で、広報戦略が大きな位置を占めているとも言えます。頑丈で素性の良い実用車という「モノづくり」がしっかりしていることが大前提ではありますが、そこから「コトづくり」「ココロづくり」へ、それは「記憶に残るクルマづくり」に通じます。日産復権に向けた一つの活路があると思います。
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