公的年金1.7兆円の黒字 5年連続

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公的年金1.7兆円の黒字 5年連続
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公的年金17兆円の黒字 5年連続

公的年金の積立金を運用するGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は、国内外の株価の上昇や円安を背景に、昨年度の運用実績が過去最大の45兆4000億円余りの黒字になったと発表しました。

通算企業年金のように新たな掛金収入が入ってこない年金制度では一度大きな積立不足を抱えてしまうと回復させるのが難しく、給付を削減するか、積立不足が拡大するリスクを負ってでも積極的な運用に賭けるほかありません。公的年金の積立金の半分が株式に投資されていることを「博打」などというメディアもありますが、博打とはこのような状況において用いるべき表現でしょう。

厚生労働省から、令和5年度「厚生年金保険・国民年金の収支決算の概要」が公表されました(令和6年8月2日公表)。

つまり、国民年金基金の財政は運用収益に依存する構造となっており、本来であれば企業年金連合会の通算企業年金と同様に、安定的な運用によって積立不足を回避できるような運営を行っていく必要があります。しかし実際には長らく積立不足の状況が続いており、責任準備金に対する実際の積立比率は 2018 年度末時点で 80% となっています (20% の積立不足)。計画上の利回りも高めの設定となっていることから、必要な収益を確保するために公的年金と同様に積立金のおよそ半分を株式に投資しています。そのため、運用実績 (利回り) は公的年金と同じような水準で推移しており、今回発生した運用損失により積立不足は拡大しているものと考えられます。

それによりますと、昨年度 令和5年度の運用実績は、45兆4153億円の黒字で、過去最大となりました。また、収益率はプラス22.67%で、令和2年度に次いで2番目に高くなりました。国内外の株価が上昇したことに加え、円安が進んだことで、収益がさらに押し上げられた形です。黒字は4年連続です。資産ごとの内訳は、▽国内株式が19兆3928億円▽外国株式が19兆2952億円▽外国債券が7兆8694億円の黒字だった一方、▽国内債券は、日銀がマイナス金利を解除して金利が上昇したことなどから、1兆1421億円の赤字でした。これにより、市場での運用を開始した2001年度以降の累積の収益額は153兆7976億円、運用資産の総額はことし3月末の時点で245兆9815億円となりました。

そうした観点で公的年金と対照的な財政運営を行っているのが企業年金連合会の通算企業年金です。通算企業年金は、確定給付企業年金を中途で脱退したり、制度終了によって確定給付企業年金の加入者でなくなった人などから資金を受け入れ、65 歳以降に終身年金給付を行う制度です。通算企業年金に掛金収入 (公的年金の保険料に相当する収入) はなく、受け入れた資金とその運用収益だけで将来の年金給付を賄っていく必要があるため、公的年金とは違って運用損益は財政状況に大きな影響を与えます。

宮園雅敬理事長は、記者会見で「公的年金の財政検証では、積立金運用の好調な実績がプラスに働いたことが示された。引き続き、年金財政の安定に貢献できるよう運用していきたい」と述べました。

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