
- <第195回> 2025年8月30日
- 問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。
- 問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
- 問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
- 問4:今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通しについてお答えください
- 問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
- 問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
- 問7: 日銀は9月18-19日の金融政策決定会合で利上げすると思いますか?
- 問8: 日銀は緩やかなペースで利上げを継続する姿勢を示していますが、この方針をどのように評価していますか?よろしければ、その理由もお書きください。
<第195回> 2025年8月30日
外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。
分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所
調査実施期間
2025年8月22日(金)13:00~2025年8月26日(火)24:00
調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は 562 件。
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問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。

「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が37.2%であったのに対し「円高・米ドル安方向」と答えた割合は35.9%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△1.3%ポイントと前月の△38.6%ポイントからプラス幅が大きく縮小した。
調査期間前後の米ドル/円相場は、147円台を中心に方向感が定まらない展開。ジャクソンホール会合でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、引き続き利下げに慎重な姿勢を示した。ただ、労働市場の下振れリスクを指摘したことがハト派的に傾いたと見做されたため9月の利下げ観測が高まった。そうしたことからドル高・円安スタンスの個人投資家が大きく減少したと考えられる。
今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が160.00円、最安値が137.30円となり、高値の平均値は149.98円、安値の平均値は144.73円であった。高値の中央値は150.00円、安値の中央値は145.20円だった。前月調査時(最終日)から実勢レートが1円弱切り上がったのに対して高値・安値の予想中央値は同程度の水準だった。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、33.5%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は24.2%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は△9.3%ポイントと前月の△32.2%ポイントからプラス幅が縮小した。
調査期間前後のユーロ/円相場は、172円台を中心に方向感が定まらない展開。米国の関税政策を巡る不確実性が欧州への資金逃避に繋がっていると見られる一方、今後は米関税がユーロ圏経済の重しになるとの見方もある。そうした中で、個人投資家のユーロ強気度合いが後退したと考えられる。
今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が179.00円、最安値が154.00円となり、高値の平均値は173.40円、安値の平均値は167.95円であった。高値の中央値は173.00円、安値の中央値は170.00円であった。実勢レートが前月調査時(最終日)から1円弱切り下がった動きに沿って、高値の予想中央値が1円円高・ユーロ安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、28.6%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は28.6%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は±0%ポイントとなった。前月は△23.7%ポイントだった。
調査期間前後の豪ドル/円相場は、95円台で底堅い展開。世界的に株価が堅調に推移したことが豪ドルの下値を支えた一方で、豪中銀(RBA)が8月理事会で利下げを再開し、「今後1年で追加利下げが必要になる可能性が高い」との認識を議事録で示したことが上値を抑えた。このため、個人投資家の間でも豪ドルに対して強弱感が対立したと見られる。
今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が100.00円、最安値が80.00円となり、高値の平均値は96.87円、安値の平均値は92.99円であった。高値の中央値は97.00円、安値の中央値は93.84円だった。前月調査時(最終日)と比べ実勢レートが0.4円ほど切り下がったのに対して、高値・安値の予想中央値は1円程度、円高・豪ドル安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問4:今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、32.6%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は24.4%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は△8.2%ポイントとなり、前月の△28.5%ポイントからプラス幅が縮小した。
調査期間前後の英ポンド/円相場は、198円から199円台の1円程度のレンジ推移となった。英中銀(BOE)による追加利下げは来年に後ずれするとの見方が下値の堅さに繋がった。一方で、英国経済の悪化懸念がポンドの上値を抑えており、そうした中で個人投資家の強気スタンスが後退したようだ。
今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が208.10円、最安値が178.00円となり、高値の平均値は200.51円、安値の平均値は194.32円であった。高値の中央値は200.00円、安値の中央値は196.00円だった。実勢レートは前月調査(最終日)からほぼ横ばいだったこともあって予想レートにも大きな変化はなかったが、安値の予想中央値は前回から0.5円程度、やや円高・ポンド安方向へシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が37.9%と最も多かった。次いで「円」が32.0%、以下「ユーロ(8.2%)」、「トルコリラ(5.0%)」、「メキシコペソ(3.9%)」と続き、「英ポンド」と「スイスフラン」が3.6%で並んだ。「米ドル」は3カ月連続で首位となったが、回答割合は前回の44.2%から低下した。一方、2位の「円」は前回の20.1%から上昇した。なお、3位の「ユーロ」も順位は前回と同じだが回答割合は11.0%からさらに低下。個人投資家の買い興味が「米ドル」と「円」に集中している上に、「米ドル」と「円」に対する強気度合いが拮抗していることがわかった。「米ドル」が最も強くなると思う理由については「関税によるインフレの影響でドル高になる」、「関税騒ぎが一段落し、ウクライナ戦停止協議が好感され米景気が少し戻りそう」、「(FRBの)金利引下げが緩やかになる見通しがはっきりする」などの意見が出ていた。2位の「円」については、「日銀の利上げ」、「相対的な金利差が縮小するため」など、政策金利面の要因を挙げる声が多かった。その他、3位の「ユーロ」については「ロシア・ウクライナ情勢が進展しそうなため」との指摘があった。
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか

問5とは反対に、今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」が35.2%と最も多く、ほとんど差がなく「円」が35.1%で続いた。以下、「トルコリラ(7.8%)」、「ユーロ(4.4%)」、「豪ドル(3.7%)」、「中国人民元(3.2%)」の順になった。「米ドル」が2カ月ぶりに首位の座を「円」から奪回。「円」は前回、52.3%の回答割合で「独り負け」の様相だったが、今回は大幅に割合が低下した。問5に続いて、ここでも「米ドル」と「円」の回答割合が拮抗。個人投資家の興味関心が両通貨に集中するとともに、両通貨に対する強弱感が対立していることがわかった。なお、「米ドル」と答えた理由については「FOMCの利下げ」を挙げる向きが圧倒的に多かった。その他、「トランプ関税が米経済の足を引っ張る」、「トランプ政権の外交や経済政策の失敗」などの声も出ていた。2位の「円」については、「日銀はしばらく利上げできない」との意見や「政治不安定」、「財政悪化懸念」などの意見があった。
問7: 日銀は9月18-19日の金融政策決定会合で利上げすると思いますか?

今回の特別質問として「日銀は9月18-19日の金融政策決定会合で利上げすると思いますか?」と尋ねたところ、「利上げする」が29.4%であったのに対し、「利上げしない」は50.9%であった。「わからない」は19.8%だった。なお、8月27日時点で本邦金利デリバティブ市場のオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)が示す9月利上げ(25bp=0.25%ポイント)の確率はわずか5%前後にとどまっている。この点から見ると、個人投資家による日銀の9月利上げ期待は、金利市場よりもやや強いと言えそうだ。
問8: 日銀は緩やかなペースで利上げを継続する姿勢を示していますが、この方針をどのように評価していますか?よろしければ、その理由もお書きください。

もう一つの特別質問として「日銀は緩やかなペースで利上げを継続する姿勢を示していますが、この方針をどのように評価していますか」と尋ねたところ「現行の緩やかな利上げを支持」が47.0%で最も多かった。次いで「より速いペースで利上げを行うべき」が17.6%、僅差で「これ以上利上げするべきではない」が17.4%と続き、「わからない」は18.0%だった。その理由を自由記述形式で聞いたところ、多数派の「現行の緩やかな利上げを支持」とした向きからは、「バランス重視の現実的な路線:急激な政策転換を避ける点では妥当」、「緩やかな利上げは、為替や株価の急変動を抑制できる。企業・個人においても徐々に適用しやすい」、「景気の足を引っ張らない程度に、だが物価の上昇を抑制するために緩やかな利上げを支持」、「インフレ率が異常、ただ過度な利上げは経済成長や消費にダメージを与える可能性があるから」などとする回答があった。「より速いペースで利上げを行うべき」と回答した向きからは「8か月連続してCPIは3%超え。明らかにインフレであり上げ幅も大きく速やかに利上げすべきであり、金融政策でコントロールできない賃金を課題にするのは論外」との指摘があった。一方で「これ以上利上げするべきではない」と答えた向きからは「日本はコストプッシュ型のインフレであり、利上げにより国内市場のマネー流通を妨げるべきではない」との意見が見られた。


株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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