
午前の為替予想は… 米雇用統計待ち、米国勢不在で様子見ムードが強まる
作成日時 :2025年9月1日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
ドル円予想レンジ
146.200-147.800円
前日の振り返りとドル円予想
29日のドル/円は終値ベースでほぼ横ばい。
米7月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は市場予想通りの結果となり、コア指数においては前年比で5カ月ぶりの伸びとなった。
発表後に147.41円前後まで上昇したが、その後発表された米8月ミシガン大消費者態度指数・確報値が速報値から下方修正されたことなどで上げ幅を失った。
PCEデフレーターを通過したことで、市場の注目は今週金曜日(5日)に予定されている、米8月雇用統計をはじめとした労働関連の経済指標に向いている。
本日は米国がレイバーデー(労働者の日)のため、米国の株式や債券市場などは祝日休場となるほか、注目の経済指標の発表も予定されていない。米国の経済状況を見極めたいとの思惑から、判断材料が少ない本日は様子見ムードが強まりそうだ。
今朝 最新のドル/円チャート

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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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ドル円午前の為替予想 米雇用統計待ち 米国勢不在で様子見ムードが強まる
今週は日銀会合、米雇用統計と続いているため、いったん休止した相場の揺れも再び揺れ始めるかもしれません。ドル/円にとっては5月のGWを前にして不気味な環境といえるかもしれません。
一方で植田和男総裁がG20の訪米時に、米国側から金利面での円安調整(利上げ)の要望があった可能性も予想され、また日本政府としても5月1日の第2回関税交渉の前に日銀が利上げ(結果として円高)することを期待していることも予想されます(圧力をかけているかどうかは分かりませんが)。
その場合、足元では日銀の利上げ期待が後退していることから金利変動幅が大きくなることも予想され、ドル/円は円高に敏感に反応することが予想されるため注意が必要です。
日本は5月1日に2回目となる日米関税交渉が行われる予定ですが、通商交渉にもかかわらず、この時に為替が議題になるのではないかとの警戒心からドル/円の上値を重くしているようです。また、4月30日~5月1日の日本銀行金融政策決定会合を控えていることも相場様子見になっているようです。
今週は日銀会合と米雇用統計に注目です。米4月雇用統計は、3月の非農業部門雇用者数+22.8万人に対して、予想は+13.3万人となっています。失業率は3月の4.2%と同じ4.2%の予想となっています。関税引き上げの中で、消費者センチメントの悪化だけでなく、実際に雇用市場が悪化していることが確認されれば、株安、ドル安が予想されるため注意が必要です。
不気味といえば、26日のバチカンでのトランプ・ゼレンスキー会談もいい意味で不気味な出来事でした。二人きりの会談で、しかもバチカンのサン・ピエトロ大聖堂という舞台設定の演出効果は大きいと思われます。ロシアに対する圧力かもしれませんが、もし、停戦となれば、ユーロ上昇→ユーロ/円上昇となり、ドル/円の円売りをサポートするかもしれません。


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