
メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年10月17日16時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
トルコリラ/円(4時間足)

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のトルコリラ/円は軟調
トランプ米大統領が12日に「中国とのことは心配いらない。すべてうまくいく!」などとSNSに投稿したことを受けて米中貿易摩擦の激化を巡る懸念が和らいだとして13日、14日はリラ買い・円売りが優勢でしたが15日以降は一転して下落しました。14日には3.642円前後まで強含みましたが、15日にトランプ大統領が中国との貿易摩擦について「現在、戦争状態」にあるとの認識を示したことなどがリラ/円の重しとなりました。16日には米地銀の融資を巡る借り手の不正疑惑などを背景にリスク回避の動きが強まると3.569円前後まで下落。17日の東京市場では10月6日以来の3.560円前後まで下落する場面もありました。
今週のトルコリラ/円の注目ポイントはトルコ中銀
今週23日にトルコ中銀が政策金利を発表します。前回の9月会合では市場予想の200bp(2.00%ポイント)を上回る250bpの利下げを決めました。さらには、9月消費者物価指数(CPI)が予想外に加速したこともあって、今回は政策金利を40.50%に据え置くとの観測が浮上しています。ただ、9月CPIについては、エネルギーや一部の食品などを除いたコア指数の伸びが鈍化しており、中銀が9月会合で示した「需要主導による物価圧力は依然としてディスインフレ傾向に一致している」との見解に沿う結果であったともいえます。また、インフレが9月に加速したとはいえ伸び率は33.29%で、現在の政策金利である40.50%を下回っています。こうした中では、中銀がインフレに警戒感を示しつつ金利を引き下げる「タカ派利下げ」の可能性を排除できないでしょう。
今週のトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
3.525~3.675円
基調
不安定
今週の注目ポイント
☆10/23 トルコ中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格
株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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トルコリラは 多くの国内FX会社が扱っている人気の通貨です
トルコは現在、高金利政策を実施しているため、トルコリラを保有する投資家には高いスワップポイントが支払われます。
価格推移でも紹介したように、トルコリラは長期的な下落トレンドを続けています。
この年、トルコリラは歴史的な暴落を経験し、一時的に急激な下落からリラを守るための政策金利引き上げが行われましたが、結果的に安定にはつながりませんでした。
2017年、トルコリラは依然として高い金利を背景に高利回り通貨としての魅力がありましたが、政治的リスクが徐々に顕在化しました。
以下は、トルコリラの2010年から現在までの金利推移を示したものです。
2025年10月現在、1トルコリラ=3.60円なので、トルコリラ円を1万通貨保有するには3.60円×1万通貨=36,000円が必要です。
今日は8月の米ISM製造業景気指数が発表される。今日のIGコモディティレポート「調整ムードのNY金、米経済指標にらみの1週間、今日の注目指標と見通し」で述べたとおり、強い内容ならば「米金利の反発→米ドル買い」が予想される。米ドル買いはドル円の上昇要因となろう。ドル円の上昇はトルコリラ円をサポートしよう。
8月CPIがトルコリラ買いの要因となれば、トルコリラ円はフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準4.407レベルを視野に上昇幅が拡大する可能性が高まろう(下のチャート、赤矢印を参照)。このテクニカルラインは8月上旬から中旬にかけて相場の上昇を止めた重要なレジスタンスの水準である。
また、2021年からは世界全体で高インフレが懸念された影響で多くの国が金利を上げており、金利差が縮小したことでトルコリラの売り圧力が増していきました。
トルコリラの特徴の一つは、価格の上昇・下落トレンドが長期間続く傾向がある点です。
トルコリラは、多くの国内FX会社が扱っている人気の通貨です。
最新情報を常にチェックして、トルコリラの取引を検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、スワップポイントによる利益を狙う際には、トルコリラの価格下落による為替差損に注意する必要があります。
加えて、トルコ中央銀行の金利政策が予測困難であることも、投資家心理を揺るがせており、トルコリラの価値が短期間で大きく変動する原因となっています。
8月5日にトルコリラ円は、安値4.13レベルまで下落する局面が見られた。今日以降4.166レベルのみならず、4.13レベルをも難なく下方ブレイクする場合は、61.8%水準4.10のトライが視野に入ろう。


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