JR総武線の小岩駅(東京・江戸川)
しかし、過去20年でこの地域は劇的な変貌を遂げ、ツインタワー形式をはじめとする超大規模マンションが次々と誕生し、新しい都市景観を創り出しています。その影響は、街の景観だけに留まらず、人口構成や住環境にも及び、今や東京の未来を象徴する地域の一つとなりつつあります。
「3K」といっても、キッチンに3部屋がついた間取りではない。亀有、金町、亀戸の頭文字。不動産業界で城東エリアと呼ぶ、東京東部の物件が脚光を浴びたのは10年前だ。押上に東京スカイツリーが開業し、下町の再開発に火がついた。都心へのアクセスも良い。
「'50年の東京を考えるとき、最も深刻化していそうな問題がタワマンです。漏水リスクを防ぐために15年に一度ほどは外壁修繕が必要になるのですが、一般のマンションとは異なり、ゴンドラや移動昇降式足場を使うので工期が長く高額化する。
隅田川の古き伝統を守る暮らしと、東京湾を一望できる未来型の高層マンションの生活が人気の月島エリア。今後行われる再開発で生活の利便性はこれからも充実していくことでしょう。
また、有楽町で山手線に乗り換えれば、ターミナル駅である東京駅まで約8分でアクセス可能です。もちろん、東京駅や銀座周辺までは、徒歩や自転車での通勤も可能なエリアです。月島は通勤にも、休日のショッピングにも便利なエリアだと言えます。
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東京の中心に位置する湾岸地域は、これまで「勝どき」「晴海」「月島」「豊海」といった下町の風情を残す街として親しまれてきました。
東京23区における「億ション」の台頭と下町エリアへのタワマンション進出は、日本の住宅市場の大きな変化を象徴しています。価格高騰の背景には供給減少やコスト上昇といった構造的な要因があり、購入層も高収入のパワーカップルや富裕層に限定されつつあります。
JR総武線の小岩駅(東京・江戸川)。南口...
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その後、高齢化した住民の収入が減ったり、外国人居住比率が高くなると、修繕積立金を値上げしていく合意形成も難しく、3回目の大規模修繕工事が実施できなくなる。私はかねがね『タワマン45年寿命説』を唱えていますが、'50年の東京には廃墟化する危機を迎えたタワマンが立ち並んでいることでしょう」
まずは金町駅北口から水元公園に向かって進んでみよう。水元公園とは、埼玉県三郷市と葛飾区の都県境を成す“小合溜”(こあいだめ。小合溜井とも)の葛飾区側河川敷に整備された、東京23区で最も広い公園である。その面積は96.3haにも及ぶが、東京ディズニーランド(46.5ha)と東京ディズニーシー(49ha)を合わせても面積が95.5haであるから、水元公園はそれよりもやや広い。加えて、対岸となる三郷市側にも16.9haの“みさと公園”が整備されており、水元公園とみさと公園を合わせると113.2haにもなり、およそ皇居(230ha)の半分という広さになる。ただ、水元公園とみさと公園は広大な園地の東端でしか繋がっておらず、他に小合溜を渡る橋がなく、往来は難しい。一体の風景を構成していても、一体の公園であるという認識は薄い。
再開発は、これまで新宿や池袋、東京駅周辺などの都心部を中心におこなわれていたが、今やその動きは都心部だけにとどまらない。かつては湾岸エリアの象徴だったタワマンも、最近では十条や金町などの下町でも続々と誕生している。なぜ今、「下町」でタワマンが急増しているのか。その背景には、都心部のタワマンとは異なる「再開発」の実態があった。
▲にいじゅくみらい公園と東京理科大学は仕切りが無い。シームレスに街と繋がる開放感が特徴。
東京23区内の新築マンション価格は、この10年で倍近くまで上昇した。不動産経済研究所によると、2015年の平均価格は6732万円だったが、2017年に7000万円を超え、2023年に初の1億円超え。2024年も1億1181万円と大台をキープしている。


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