財務相と米財務長官 為替を議論
人口減少、これは日本社会最大の課題と言ってもいいと思います。財務省といたしましても、しっかり取り組んでいかなければならない課題であると、そのように認識をいたしております。 政府といたしましても、今般、3.6兆円に及ぶ規模でこども・子育て支援を抜本的に強化しておりますが、この中に盛り込んでおります、児童手当の拡充、男性育休、柔軟な働き方の推進などについてはスピード感を持って実行していく必要があると考えております。そのためにも、まずは、政府一丸となって、法案の早期成立に取り組んでいきたいと思います。 併せまして、結婚・出産を望む若い方々が、経済面の不安なく希望を叶えることができますように、賃上げ・所得向上に全力を挙げるとともに、社会全体でこどもや子育て世帯を応援する機運を高めていくことも重要と考えます。その上で、これらの施策の取組状況をしっかりと精査した上で、更なる施策の充実に当たっては、併せて、社会全体でどう支えるかも検討していく必要があると考えております。 いずれにしましても、社会全体が抱える重要な課題でありますので、様々な立場から建設的なご意見を述べていただくということが大変重要であると、そのように思います。
関連してなんですけれども、米イエレン財務長官がインタビューに対して、為替への介入というのはまれな状況でのみ容認されるというような発言をされていらっしゃいました。併せてドル高については米経済の力強さや金利水準ということも申し述べられております。これについて受け止めをお願いします。
今回の日米財務相会談の最大の議題は、ロシアに対する制裁措置と考えられる。特に先般のG7サミットで決まったロシア産原油の取引価格に上限を設ける措置についての議論である。これは、イエレン財務長官が強く後押しをしている(コラム「ロシア産原油の取引価格上限設定は『諸刃の剣』:世界経済・金融市場混乱のリスクも」、2022年7月8日)。
問)先程の為替の質問についてですが、今の円安水準ですが、もう輸出企業からも懸念が出るような水準になっております。これ以上の円安の進行が日本経済についてどういう影響を与えているのか、そこについての見解をお願いします。
来日しているイエレン米財務長官と鈴木財務大臣の日米財務相会談が12日午後に行われ、その後に共同声明が公表された。その内容は基本的にはG7(先進7か国)中央銀行総裁会議、あるいはG7サミットで合意されたものを再確認したものであり、新味はないように見受けられる。
上限価格の設定の議論は、先般、ロシアがサハリン2で日本企業の資産を事実上接収する可能性を示すといった報復措置を招いた、直接的なきっかけになったとみられる(コラム「サハリン2の資産をロシア企業に無償譲渡させる大統領令」、2022年7月1日)。報復を恐れて日本が上限価格設定についてG7の協調策に加わらないことは考えられないが、会談を通じて、ロシア側の報復措置でG7の結束が乱れることがないように、日本側の動きを確認する狙いも、イエレン財務長官にはあったのではないか。
問)関連してなんですけれども、米イエレン財務長官がインタビューに対して、為替への介入というのはまれな状況でのみ容認されるというような発言をされていらっしゃいました。併せてドル高については米経済の力強さや金利水準ということも申し述べられております。これについて受け止めをお願いします。
ブラジルで開かれていたG20=主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議は、日本時間の27日朝に閉幕し、世界経済は軟着陸する可能性が高まっているものの、戦争やインフレの長期化といったリスクがあるなどとする共同声明を採択しました。
G20の会議は2日間の議論を経て共同声明を採択し、世界経済についてソフトランディング=軟着陸する可能性が高まっているものの、戦争や紛争をはじめ、高い金利につながるインフレの長期化といったリスクがあると指摘しています。そして、強固で持続的な成長に向けて政策を調整し意思疎通を続けると明記しました。鈴木財務大臣は会見で「世界経済が抱える諸課題に対し充実した議論ができた。結果にも日本の意見が反映された」と述べました。
答)人口減少、これは日本社会最大の課題と言ってもいいと思います。財務省といたしましても、しっかり取り組んでいかなければならない課題であると、そのように認識をいたしております。 政府といたしましても、今般、3.6兆円に及ぶ規模でこども・子育て支援を抜本的に強化しておりますが、この中に盛り込んでおります、児童手当の拡充、男性育休、柔軟な働き方の推進などについてはスピード感を持って実行していく必要があると考えております。そのためにも、まずは、政府一丸となって、法案の早期成立に取り組んでいきたいと思います。 併せまして、結婚・出産を望む若い方々が、経済面の不安なく希望を叶えることができますように、賃上げ・所得向上に全力を挙げるとともに、社会全体でこどもや子育て世帯を応援する機運を高めていくことも重要と考えます。その上で、これらの施策の取組状況をしっかりと精査した上で、更なる施策の充実に当たっては、併せて、社会全体でどう支えるかも検討していく必要があると考えております。 いずれにしましても、社会全体が抱える重要な課題でありますので、様々な立場から建設的なご意見を述べていただくということが大変重要であると、そのように思います。
つまりこれは、円安問題、ドル円レートの問題について述べているのではなく、主要国が対応すべき一般論を述べているに過ぎない。実際には、日本が苦しむ円安進行について、米国が支援の手を差し伸べてくれることはないのである。為替に関する文言がやや不自然な形で声明文に組み込まれたのは、日本側が米国側に強く働きかけたものと推察される。
米国が日本の為替介入を認めないのは、4月の日米財務相会談以降変わらない。為替市場では、今回の日米財務相会談が日本の為替介入を後押しするとの期待は、もともとかなり低かったと考えられる。
鈴木財務大臣は「必要な場合には適切に対応」との発言を繰り返し、為替介入を匂わすことで円安をけん制しているが、その実行可能性は低い。日本が為替介入を実施するには、協調介入はもちろんのこと単独介入であっても、米国を中心に他の主要国の承認が事実上必要となるが、その承認が得られる可能性は低い。物価高に苦しんでいるのはどこの国も同じであり、どこの国もが自国通貨高を望んでいる。そうしたなか、仮に米国が日本に円買い介入を認めると、それをきっかけに他の主要国にも自国通貨買いの為替介入が広がり、通貨高競争、通貨高戦争の様相にまで一気に発展しかねない。
声明文の中で特に注目されたのは、「為替市場に関して緊密に協議し、為替の問題について適切に協力する」との文言である。ここだけ見ると、円安進行に対して日米が協調して対応することで合意したようにも見え、円安に苦しむ日本にとっては米国の助けが得られるとの観測を生じさせるものでもある。
財務省の神田財務官は会見で「為替の文言が落ちてしまうとマーケットに不測のミスリーディングなメッセージになるかもしれないということで書き込むよう主張し、その結果、しっかりと入っている」と述べました。
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