欧米市場オープニングコメント
「ドル・円は伸び悩みか、強い米雇用統計を好感も為替介入を意識」
13日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。10日の米雇用統計が堅調な結果を示し、緩和後退の思惑によりドル買い継続の見通し。ただ、高値圏では日本政府による為替介入が意識され、ドルの上昇は抑制されるだろう。
前週末に発表された米雇用統計は非農業部門雇用者数が予想外に強く、失業率は低下。雇用情勢の改善を受け米10年債利回りの上昇を受け、ドル買い優勢の展開に。ユーロ・ドルは1.0310ドル台から1.0210ドル台に大きく下げ、ドル・円はNY株式市場の急落で円買いが強まったが、157円20銭台に下落後は158円付近に持ち直した。本日アジア市場は東京休場で薄商いのなか、株安で円買い先行もドル・円は下げ渋った。この後の海外市場はドル買い継続を見極める展開。連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げ観測は大きく後退し、ドル買いに振れやすい。今週発表の米インフレ指標は高止まりが予想されるほか、欧州通貨売りも継続しドルの押し上げ要因となる。半面、日本政府が円安是正に向けた介入を実施する可能性が引き続き市場で警戒され、ドルは158円台で利益確定売りが強まりそうだ。また、NY市場が株安継続なら円買いも入りやすい。
通貨別分析
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株式会社フィスコ
1.03ドル前半で上値を抑えられ 1.02ドル後半まで下押した
12月の米雇用統計の数字が予想から大幅に外れていない限り、20日のトランプ次期米大統領の就任式に向けて、現在の米金利上昇やドル高基調には変化はないと思われる。しかし、米国の雇用統計に関する懸念材料としては、2月7日に公表予定の年次ベンチマーク改定の確定値が、昨夏の速報値(81万8000人の下方修正)からさらなる下方修正が警戒されていることが挙げられる。
陰線引け。1.03ドル前半で上値を抑えられ、1.02ドル後半まで下押した。前日安値の手前で下げ渋り、下落幅を縮小したものの3手連続の陰線引け。
(13時30分現在)S&P500先物5,838.75(-27.50)ナスダック100先物20,886.75(-129.25)米株式先物市場でS&P500先物、ナスダック100先物は軟調、NYダウ先物は91ドル安。米金利は高値圏を維持し、本日の米株式市場は買い先行となりそうだ。10日のNY株式市場は軟調。序盤から売り優勢となりナスダックは5日続落、S&Pは反落、ダウは前日比696.75ドル安の41938.45ドルと2日ぶりに値を下げた。この日発表された雇用統計は想定外に強い内容となり、緩和的な金融政策の継続への期待が大きく後退。それを受けて長期金利が上昇すると、ハイテクをはじめ幅広い売りが相場を圧迫している。ただ、終盤に向け割安感から買戻しが入り、指数は下げ幅を縮小した。本日は下げ渋りか。前週末の下落を受けて慎重な展開が予想される。今週の消費者物価指数(CPI)の発表を控え、インフレ動向やFRBの金融政策に対する市場の関心が高まっている。金利高が継続すれば、ハイテク株を中心に売り圧力が強まり相場を圧迫しそうだ。一方で、企業の決算発表を控え、業績への期待感から買い戻しの動きも期待される。全体として金利高により下押し圧力が強まりやすいが、割安銘柄が買い戻されれば大幅安は回避されよう。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に関しては、過去の介入実施時間帯から、本日の金曜日のニューヨーク市場や来週月曜日の東京市場休場に警戒しておきたい。
昨日届かなかった日足一目・転換線は本日1.0330ドル台まで低下してきた。やや近い水準ではあるが同線から8日高値圏までを抵抗帯と想定。下サイドは、2日につけた2022年11月以来の安値が依然として意識される水準だろう。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米12月雇用統計を控えて動きづらい展開か。
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