鶏卵価格が上昇 前年比14倍に
同社は「エッグランズベスト」や「ランドオレイクス」などの殻付き卵で知られ、1パック(12個入り)の平均価格は前年の1.46ドル(約195円)から3.68ドル(約490円)に跳ね上がったという。
日本では工場的な生産システムの確立により、鶏卵は長く「価格の優等生」として鎮座してきた。世界の潮流を受けて、生産者や消費者が新たな選択を迫られる日は遠くなさそうだ。
大幅値上げによって消費者が負担を強いられる一方で、生産者が利益を膨らませていることについては問題視する政治家が出てきている。エリザベス・ウォーレン上院議員とケイティ・ポーター下院議員は2月、カル・メイン・フーズなど鶏卵生産者4社に対し、「鶏卵の生産者が鳥インフルや供給ショックに対する恐怖を利用して自らの利益を膨らませている可能性」について質問した。
アメリカ最大手の鶏卵生産者「カル・メイン・フーズ」(本社・ミシシッピ州)が3月28日、2023年5月期第3四半期の決算を発表した。スーパーで販売されている卵の価格が高騰していることから、2022年12月〜2023年2月の売上高が前年同期の2倍、利益は大幅増で8倍になった。
ただ、上昇は一時的だった。1975年半ば以降、価格上昇は徐々に落ち着いた。その後は多少の上下を伴いつつも前年同月比でみた乳卵類の価格変化率は横ばい圏で推移した。消費者物価指数に含まれる卵の割合は0.25%程度であり、乳卵類の5分の1を卵が占める。
わが国では、長い間、卵の価格が安定してきた。それは、消費者物価指数に含まれる“乳卵類”の前年同月比の価格変化率からも確認できる。1973年に発生した“第1次石油危機”による物価の上昇を背景に、一時わが国の卵価格は大きく上昇した。1974年11月、乳卵類の価格上昇率は同42.1%に達した。
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