主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年11月27日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼26日(火)の為替相場
(1):トランプ時期米大統領、中国、メキシコ、カナダに「圧力」
(2):米消費者信頼感指数、昨年7月以来の水準に上昇
(3):FOMC議事要旨「時間をかけ利下げ」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値が重い展開が続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
26日(火)の為替相場
期間:26日(火)午前7時10分~27日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):トランプ時期米大統領、中国、メキシコ、カナダに「圧力」
トランプ次期米大統領は、就任初日にメキシコとカナダからの全ての輸入品に25%の関税を課し、中国からの輸入品に追加で10%の関税を課すとSNSで表明。不法移民や違法薬物取引を巡る懸念を理由に挙げた。これを受けてメキシコペソやカナダドル、中国人民元に対してだけでなくドルが全面的に上昇するとドル/円は154.49円前後まで強含んだ。一方、世界的な貿易摩擦への警戒感から日本株が値下がりする中でクロス円は下落。ドル/円も上昇一服後はクロス円につれて反落した。
(2):米消費者信頼感指数、昨年7月以来の水準に上昇
米11月消費者信頼感指数は111.7と市場予想(111.8)にはわずかに届かなかったものの、2023年7月以来の水準に上昇した。米大統領選でトランプ氏が当選したことを受け、景気や労働市場に対する消費者の楽観が広がった。一方、同時に発表された米10月新築住宅販売件数は年率換算で61.0万件と市場予想(72.5万件)を大幅に下回った。
(3):FOMC議事要旨「時間をかけ利下げ」
米連邦公開市場委員会(FOMC)は11月の議事録を公表。「インフレ率が持続的に2%まで低下し、経済が完全雇用に近い状態を維持するなど、データがほぼ想定通りの内容になれば、時間をかけてより中立的な政策スタンスへと緩やかに移行することが適切である可能性が高いと参加者は予想した」と表明した。また、多くの参加者は、中立金利水準に関する不確実性が「金融政策における景気抑制度合いの評価を複雑にしており、政策の引き締め具合を段階的に緩和することが適切だとの見解を示した」ことも明らかになった。
26日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
- ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
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- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上値が重い展開が続きそう
昨日のドル/円は一時152円台へと下落。
米国のトランプ次期大統領が中国、カナダ、メキシコに関税を課す考えを示したことでドルが上昇したが、円は貿易摩擦への懸念からドル以上に上昇した。米感謝祭休暇を前にした持ち高調整の円買いも出たと見られ、NY市場序盤には152.98円前後まで下落。その後は下げ渋ったものの、クロス円が軟調に推移する中で戻りは鈍く、前日比1円超低い153.11円前後で取引を終えた。
この下落によって、10月以降2カ月近くに渡り下値支持として機能していた20日移動平均線を割り込んだ。明日からの米感謝祭休暇を前に、本日も上値の重い展開が続きそうだ。20日移動平均線や日足一目均衡表の基準線が通る153.90円付近が戻りのメドとして意識されよう。一方で200日移動平均線が位置し、心理的節目でもある152.00円前後は次の下値支持となりそうだ。
なお、本日はNY市場で米連邦準備制度理事会(FRB)が注目する10月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が発表される。ただ、昨日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でも示されたFRBの「緩やかな利下げ」の方針が修正を迫られるほどのインパクトはないだろう。
注目の経済指標:米PCEデフレーター
注目のイベント:特になし
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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FX 為替 本日米CPI発表FRBの緩やかな利下げ方針修正とはならないと見るが
昨日のドル/円は一時152円台へと下落。米国のトランプ次期大統領が中国、カナダ、メキシコに関税を課す考えを示したことでドルが上昇したが、円は貿易摩擦への懸念からドル以上に上昇した。米感謝祭休暇を前にした持ち高調整の円買いも出たと見られ、NY市場序盤には152.98円前後まで下落。その後は下げ渋ったものの、クロス円が軟調に推移する中で戻りは鈍く、前日比1円超低い153.11円前後で取引を終えた。この下落によって、10月以降2カ月近くに渡り下値支持として機能していた20日移動平均線を割り込んだ。明日からの米感謝祭休暇を前に、本日も上値の重い展開が続きそうだ。20日移動平均線や日足一目均衡表の基準線が通る153.90円付近が戻りのメドとして意識されよう。一方で200日移動平均線が位置し、心理的節目でもある152.00円前後は次の下値支持となりそうだ。なお、本日はNY市場で米連邦準備制度理事会(FRB)が注目する10月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が発表される。ただ、昨日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録でも示されたFRBの「緩やかな利下げ」の方針が修正を迫られるほどのインパクトはないだろう。
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