ドル円上昇で155円目前!円安進行時に注目すべき2つのポイントとは 2024年4月22日

ドル円上昇で155円目前!円安進行時に注目すべき2つのポイントとは 2024年4月22日

マット今井のトレードアイディア

先週末、イスラエルがイランに対して報復攻撃をしかけたことで、一時的にリスクオフの展開となり、株は急落、急激な円高が進行しました。しかし、その流れも一瞬で終わり、その後はあっという間に元の水準に戻ってきています。この一連の動きで、円売りの強さがかえって確認されることになりました。

基本的な円安傾向の中で注目は2つです。
1つ目は、ドル円の155円にあると言われている、ノックアウトオプション。この防戦売りが155円到達をどの程度阻止するかです。
2つ目は、為替介入です。先週、日米韓財務相会合で、最近のドル高・円安・ウォン安への懸念を示す共同声明が出されました。これで、アメリカの介入への理解は得られたと考えられます。そうなると、あとはタイミングです。今週以降も、もし介入があった場合を想定しながら、トレードに臨んでください。

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株式会社マットキャピタルマネージメント 代表取締役
今井雅人
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。

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ドル円上昇で155円目前円安進行時に注目すべき2つのポイントとは 2024年4月22日

16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は24時時点では154.59円と22時時点(154.64円)と比べて5銭程度のドル安水準だった。ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長が「物価上昇圧力が根強く続いた場合は、より長期間の高金利維持が正当化される」などと発言すると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。22時30分前に一時154.77円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。

ただし、政府の為替介入と日本銀行の金融政策が連携すれば、円安阻止に向けて相応の効果を発揮するのではないか。現在の植田総裁は、前総裁と比べて、為替の安定に向けて政府と連携する姿勢がより明らかだ。さらに、先週のマイナス金利政策解除によって、追加利上げという円安けん制の手段を日本銀行は手に入れた。追加利上げの時期が早まるとのメッセージや、実際に追加利上げを早めることによって、かなりの円安抑制効果を生じさせることができるのではないか。新たな手段を手に入れた日本銀行と政府が連携すれば、円安阻止にかなりの力を発揮することは可能だ(コラム「防衛ラインに達した円安:当局は介入が近いことを強く示唆:マイナス金利解除で日銀も円安阻止のより強い手段を手にした」、2024年3月26日)。

対円では、ドル円とユーロ円が買いの候補になりそうですが、日銀の介入リスクを考えると、対ドルでの売りを検討する価値があります。ユーロドルは1.10付近で3日続落した後、水曜日に小幅反発しましたが、木曜日と金曜日は方向感に欠ける展開となっています。短期・中期移動平均線は下向きで、実体部分も依然として安値圏にあるため、戻り売りを狙うなら、先週水曜日の陽線が打ち消されるレベルまで反発した場面が良いかもしれません。

ユーロドルで慎重なスタンスを取る理由は、ポンドドルのチャートが大きく崩れているためです。ポンドドルは先週火曜日の安値を下回って引けており、ポンド売り・ドル買いが優勢な状況です。ポンド円が底堅く推移しているのは、円売り要因が加わっているためで、ポンドドルの動きが他の対ドルの先行指標になる可能性があります。

ドル円レートは、現在、重要な節目にある。1ドル152円目前の水準は、昨年、一昨年と2回到達した円安のピークの水準だ。言い換えれば、同じ水準で2回、円安の流れが跳ね返されている。その結果、この水準は重要な意味を持つようになっている。

オージー米ドルは、火曜日の安値から反発して引けていますが、移動平均線は下向きで、実体部分も短期移動平均線を下回っているため、買いには適していません。対ドルでは、ポンドドル、オージー米ドル、ユーロドルの順に売りを検討できそうです。

現在のドル円の水準は、当局の防衛ライン圏に到達しており、いつ円買いドル売り介入が行われてもおかしくない状況だ。ただし、2022年の為替介入時と同様に、介入の事実を明かさない「覆面介入」となるだろう。

為替介入だけで、為替市場の流れを大きく変えることはできない。東京外国市場での外為取引額が1日平均で60兆円規模に達するとみられる中、為替介入による需給への影響は大きくない。2022年の介入で最大規模となった2022年10月21日のドル売り円買いの金額でも、8.5兆円程度である。

ユーロ円は売買が交錯。24時時点では164.36円と22時時点(164.52円)と比べて16銭程度のユーロ安水準だった。ドル円につれた動きとなった。

ユーロドルは上値が重い。24時時点では1.0632ドルと22時時点(1.0639ドル)と比べて0.0007ドル程度のユーロ安水準だった。21時30分過ぎに一時1.0654ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値を切り下げた。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出た。

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