ドル円見通し|対ドルは売り優勢?介入リスク&中東情勢緊迫化から読み解く為替トレンド 2024/4/22(月)井上義教

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ドル円見通し|対ドルは売り優勢?介入リスク&中東情勢緊迫化から読み解く為替トレンド 2024/4/22(月)井上義教
 

為替市場の不確実性高まる中、適切なリスク管理がカギに【明快!テクニカルレビュー】

動画配信期間:2024/04/22~2024/07/22

大手銀行で為替・債券・スワップ市場のチーフディーラーとして活躍した経験を持つ百戦錬磨のプロトレーダー、井上義教氏が、毎週掲載される「FX ウィークリーテクニカルレポート」のレビューを明快に解説いたします!

時間がない方向け「ポイント要約」

FX
ドル円
売りではない
ユーロ円
反発局面での買いを狙うが難しい
ポンド円
売りではないが買いも難しい
豪ドル円
手を出さない方が賢明
対ドル(ユーロ・ポンド・豪ドル)相場
ポンドドル、豪ドル米ドル、ユーロドルの順に売りを検討

CFD
金(ゴールド)
強気の地合いが継続
日経平均
高値掴みは損切りを迫られる展開

目次

0:00 今回のダイジェスト
0:28 ドル円分析
1:46 ユーロ円分析
2:18 ポンド円分析
3:11 豪ドル円分析
3:48 対ドル相場分析
5:49 足元のトレード戦略
6:46 金(ゴールド)・日経平均分析【CFD】
7:48 【PR】口座開設特別キャンペーン

要約

現在の為替市場は、取引がかなり難しくなっている印象です。特に、日銀の円買い介入の可能性が高まっている中、ドル円の動きに注目が集まっています。

先週水曜日以降、ドル円は一時的に下落するものの、すぐに反発して高値を更新するという動きを見せています。この状況で、下落局面での買いは危険ですが、かといって反発局面での買いタイミングを見極めるのも簡単ではありません。30分足でみると、金曜日の朝方に上昇した後、午前中は下落し、昼にかけて再び反発しています。この反発を追いかけて買うのは難しく、仮に買えたとしても、その後の上昇余地は限定的でしょう。1日がかりでわずかな利益を狙うような相場展開だと思います。ただ、ドル円は引け値が高値圏で推移しており、移動平均線も上向きなので、売りではないでしょう。

ユーロ円も同様の動きですが、金曜日の長い下ヒゲを考慮すると、買いを我慢して反発を待つのはリスクが高いと思います。反発局面での買いを狙うのが良さそうですが、ドル円同様、タイミングを見極めるのは容易ではなく、仮に買えたとしても、その後の展開は不透明です。

一方、ポンド円は少し様子が異なります。先週末は陰線で安値引けとなりました。金曜日は下値を試す場面もありましたが、反発力は鈍く、実体部分が短期・中期移動平均線を下回って引けています。また、週後半は小さな上下動を繰り返すなど、上値の重さが目立ちます。対円で買うなら、ポンド円よりドル円かユーロ円が良さそうです。ポンド円はMACDもデッドクロスし、下向きに転じているので、売りではないものの、買いも難しいでしょう。

オージー円は、安値から大きく反発した後、不安定な動きが続いています。引け値からは売りシグナルは出ていませんが、かといって買いを推奨できるような地合いでもありません。現段階では手を出さない方が賢明だと思います。

対円では、ドル円とユーロ円が買いの候補になりそうですが、日銀の介入リスクを考えると、対ドルでの売りを検討する価値があります。ユーロドルは1.10付近で3日続落した後、水曜日に小幅反発しましたが、木曜日と金曜日は方向感に欠ける展開となっています。短期・中期移動平均線は下向きで、実体部分も依然として安値圏にあるため、戻り売りを狙うなら、先週水曜日の陽線が打ち消されるレベルまで反発した場面が良いかもしれません。

ユーロドルで慎重なスタンスを取る理由は、ポンドドルのチャートが大きく崩れているためです。ポンドドルは先週火曜日の安値を下回って引けており、ポンド売り・ドル買いが優勢な状況です。ポンド円が底堅く推移しているのは、円売り要因が加わっているためで、ポンドドルの動きが他の対ドルの先行指標になる可能性があります。

オージー米ドルは、火曜日の安値から反発して引けていますが、移動平均線は下向きで、実体部分も短期移動平均線を下回っているため、買いには適していません。対ドルでは、ポンドドル、オージー米ドル、ユーロドルの順に売りを検討できそうです。

ただ、イランとイスラエルの地政学リスクや日銀の介入可能性など、不確定要素も多いため、ポジションを取る際は慎重に行動し、損切りラインを明確にしておくことが大切だと思います。

最後に、金の動きが注目されます。先々週末は上ヒゲを伴う陰線引けでしたが、今週に入ってからは下ヒゲを伴いながら高値圏を維持しています。金曜日も上ヒゲこそありますが、終値ベースでは高値更新となっており、強気の地合いが継続しています。一方、日経平均は軟調で、高値掴みの投資家は損切りを迫られる展開です。金の堅調な動きは、チャート的にもファンダメンタルズ的にも、買いセンチメントの強さを示唆しているのかもしれません。

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井上義教 氏
株式会社チャートリーディング 代表取締役 昭和39年東京都生まれ。 昭和63年大阪大学経済学部卒業、同年大和銀行入行、平成3年よりロンドンの証券現法にてディーリング業務に従事。 平成15年に退社するまで為替・債券・スワップ市場を歴任、チーフディーラーとしてチームを統括。 平成28年 株式会社チャートリーディング設立とともに代表取締役に就任。
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ドル円見通し対ドルは売り優勢介入リスク中東情勢緊迫化から読み解く為替トレンド 2024 4

週足ベースで見た上値抵抗は150.00~10円、151.40~50円、151.90~00円に、下値抵抗は149.80~90円、147.70~80円、146.40~50円、145.00±10銭にあります。31週移動平均線、62週移動平均線は142.72円と140.04円に位置しており、中期トレンドをサポート中です。

経済活動は依然弱く先行きは不透明ですが、為替相場は英ポンドが対米ドルで底打ち、反転の流れに入っています。対円では円安/英ポンド高の流れにあり、対米ドルでの英ポンド上昇と米ドル/円での米ドルの調整下げの狭間で、英ポンド/円は上下しながらも底堅く推移することが予想されます。

また、先週末の米雇用統計の結果を受けて、対米ドルで“弱気”であった短期トレンドが、先週末時点で変化しており、豪ドル/円で足を引っ張っていた要因が解消されたことから、豪ドル/円は引き続き堅調に推移するものと見られます。

週足ベースで見た上値抵抗は185.10~20円、186.70~80円、188.80~90円に、下値抵抗は182.70~80円、181.40~50円、179.90~00円にあります。31週移動平均線、62週移動平均線は178.71円と170.73円に位置しており、短・中期トレンドは“英ポンド強気”の流れに変わりありません。

また、2023年のテーマが中央銀行の金融政策と長期金利動向であり、日米欧の金利差を狙った円売りが主流となっていることから、年内の大幅円高への調整はなかなか難しいと見られます。

中期トレンドが強い状態を保っていることから、調整下げに留まるなら145円を大きく下抜けない可能性も高いと見られますが、144円を割り込んで越週した場合は、サポートラインA、Dをトライする動きが強まり易くなります。このサポートラインAは141.40~50円に、Dは138.50~60円に位置しています。

また、Bの181.40~50円を下抜けて越週しない限り、下値余地も拡がり難い状態です。ただし、CとBを割り込み、180円台を維持出来ずに越週した場合は、短・中期トレンドが変化して170円方向への一段の下落リスクが生じます。

週足ベースで見た上値抵抗は160.80~90円、161.90~00円、162.30~40円に、下値抵抗は159.30~40円、158.70~80円、157.90~00円、157.00~10円にあります。31週移動平均線、62週移動平均線は154.53円と148.55円に位置しており、中・長期トレンドをサポートしています。

今週の週足ベースで見た横サポートポイントが148.80~90円にありますが、これを割り込んで越週した場合は、調整下げ局面入りの可能性が一段と高くなり、サポートラインCへ向けての米ドル下落リスクが生じます。このサポートラインCは145.00~10円に位置しています。

また、欧州委員会統計局(Eurostat)が10月31日に発表した、10月のユーロ圏CPI(HICP)速報値は前年同月比で2.9%と、前月(4.3%)から大幅に低下しています。中東情勢などにより状況が変化する可能性がありますが、ECBは利上げ休止を続けながら物価、経済の先行きを判断するスタンスを取ると見られます。

日経平均採用銘柄では、経常利益予想を下方修正したことからアステラス製薬<4503>がきつい下げとなったほか、高島屋<8233>も今期以降の増益率鈍化見通しが嫌気されて売られた。このほか、荏原製作所<6361>、ソシオネクスト<6526>、SMC<6273>、住友ファーマ<4506>、ディスコ<6146>が売り優勢となった。

週足を見ると、2022年10月に付けた151.95円と6月に付けた戻り高値145.07円を結ぶトレンドラインAを上抜けて新たな上昇トレンド形成の流れに入りましたが、直近の週足が7月に付けた137.25円を基点として下値を急角度で切り上げて来た短期的なサポートラインBを若干下抜けた位置で越週しており、週足の形状が悪化しています。

しかし、今回の利上げ見送り決定後のマーケットの反応は、前回とは逆に英ポンド買いがやや優勢となりました。経済立て直しへの期待感も根底にあると見られ、また、1.20~1.21ドル台の大きな節目にあったこと、先週末の米雇用統計が弱かったことが反転へのきっかけとなったと見られます。

22日の東京外国為替市場で、ドル・円は1ドル=154円台半ばでもみ合いか。前週末の米国時間は、中東情勢の緊迫化を背景に上値の重い展開となったが、日米金利差拡大が見込まれるなかで下値も限られた。きょうは国内外ともに注目したい経済指標の発表が少なく、方向感の乏しい展開が予想される。米利下げの開始時期が遅れるとの見方からドル・円は底堅く推移する見通しだが、引き続き為替介入への警戒感がドル・円の上値を抑えるほか、中東情勢をめぐる報道には神経質に反応するとみられ、積極的に上値を追う展開にはなりにくいとみられる。

ランチタイムの為替は1ドル153円70銭台まで円安ドル高が進行しており、先週つけた円安水準を上回っている。今のところ政府関係者による口先介入は観測されていない。ドル・円の水準だけ見ると、2022年の円買い介入時の151円90銭台よりも1円80銭円安に振れていることから、いつ政府・日本銀行による円買い介入が行われてもおかしくはない。後場は、為替動向を注視しつつ、日経平均の下げ幅縮小に期待したい。

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