24年の世界成長率を上方修正 IMF

24年の世界成長率を上方修正 IMF
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24年の世界成長率を上方修正 IMF

IMFは世界貿易が対立ブロックに分断される可能性についての警告を繰り返し、24年の世界貿易の伸びは3.3%、25年は3.6%と、過去の平均の4.9%を下回ると予測した。IMFによれば、各国は昨年新たに約3000件の貿易制限を課したが、これは19年の約3倍に当たる。

弱さを引きずるのはユーロ圏だ。23年の0.5%という低成長に続き、24年も0.9%と0.3ポイント下げた。消費者心理や企業投資の低迷が続き、23年にマイナス成長に陥ったドイツは24年も0.5%の伸びにとどまる。

経済の下押し要因は少なくない。IMFは米欧の利下げを24年後半からとみており、年前半の開始を織り込む市場を過度に楽観的だと警戒する。市場の期待が実現せずに市場金利が上昇し、民間企業や政府の資金調達環境が厳しくなる事態が起こり得るという。

民間の政策監視機関グローバル・トレード・アラートは23年に新たに導入された貿易制限措置が約3000件程度と19年の3倍近い水準になったと指摘している。今回のIMFの予測でも世界の貿易量の伸びは24年に3.3%、25年でも3.6%にとどまり、過去平均の4.9%を下回る。

米国の24年の成長率は個人消費の強さを反映して0.6ポイント高い2.1%とした。23年後半の国内総生産(GDP)が強く、年平均で計算する成長率のベースが高くなった影響も大きい。中国は新規国債発行額の積み増し効果を加味して、4.6%と0.4ポイント上方修正した。

燃料価格急騰や想定以上の利上げもリスク要因 なお、インフレ率については、世界的に鈍化傾向にあるものの、IMFは、2023、24年とも見通しを上方修正したほか、大半の国・地域で2025年まで中央銀行の目標を上回るとして、引き締め的な政策を堅持するよう促しました。

想定よりも早いインフレ率の鈍化を反映し、減速予測を修正した。IMFは先進国の24年の消費者物価上昇率を2.6%と0.4ポイント下方修正した。供給網や労働力といった供給面の改善が進み、需要が堅調でも物価は高止まりしなかった。

【ワシントン=高見浩輔】国際通貨基金(IMF)は30日、四半期に1度の経済見通しを公表した。2024年の世界の実質経済成長率を前年並みの3.1%とし、23年10月の前回予測から0.2ポイント引き上げた。景気を失速させずに物価上昇率を下げるソフトランディング(軟着陸)への道筋がみえたと強調した。

IMFはリスク要因として、中国の不動産危機の悪化のほか、気候や地政学的な問題に伴なう食料・エネルギー価格の急騰、インフレ圧力の高止まりを受けての想定以上の利上げなどを挙げています。

米大統領選など世界的に重要な選挙が相次ぐ24年は、保護主義的な施策が打ち出されるリスクも高まる。短期的には不透明感が晴れつつある世界経済だが、中長期的な先行きはなお見通しづらい状況が続く。

歴史的な高インフレに対応した金融引き締めによって景気後退が避けられなくなるという悲観論は薄まった。IMFチーフエコノミストのピエール・オリビエ・グランシャ氏は「軟着陸に向けて最後の下り坂に入った」と評した。

米国や日本の見通しは上方修正、中国の不動産危機は世界経済にとって重要なリスク 個別の国・地域のGDP成長率見通しについては、先進国では、最も高い回復力を示している米国が、堅調な設備投資や消費の拡大などを理由に、2023、24年とも上方修正されたのが目立ちます。日本についても、訪日外国人観光客や自動車輸出の回復などを背景に、2023年が上方修正されました。

IMFのチーフエコノミスト、ピエール・オリビエ・グランシャ氏は、各国の中央銀行が直面しているリスクについて、「インフレが需要主導で生じている米国は、早すぎる緩和に注意する必要がある。一方、エネルギー価格が上昇しているユーロ圏では、金融正常化に向けてかじを切ることも重要だ。でなければ、成長を妨げ、インフレ率が目標を下回るリスクがある」と警鐘を鳴らした。また、「多くの国が、公的債務残高と借り入れコストを増加させてパンデミックとエネルギー危機から脱した。公的債務と財政赤字を減少させることが未来のショックに対処する余地を与える」と財政再建の必要性を述べた。

新興国については、多くの国が予想外の回復力を示す中、中国は例外となり、不動産危機や消費者心理の悪化などを理由に、2023、24年とも下方修正となりました。IMFは、不動産危機がさらに深まる可能性があるとして、同国を世界経済にとって重要なリスクと指摘しています。そして、経営難に陥っている不動産開発業者を速やかに再編することや、金融の安定維持、地方財政ひっ迫への対処の必要性にも言及しています。

IMFは25年の世界の成長率も3.2%にとどまるとみる。00〜19年平均の3.8%を下回る。

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