ドル/円、早い戻りで155円目前…円買い介入警戒が後退か(NY市場の見通し)2024/5/7

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ドル/円、早い戻りで155円目前…円買い介入警戒が後退か(NY市場の見通し)2024/5/7
 

ドル/円、早い戻りで155円目前…円買い介入警戒が後退か

東京市場のドル/円は、154円台への戻りを試す展開。日本株高を受けて円売りが優勢となり早々に154円台を回復すると、豪中銀(RBA)理事会の結果を受けた豪ドル安・ドル高の影響もあって午後には154.65円前後まで上昇しました。

欧州市場に入ると、米長期金利が低下したことに加えて植田日銀総裁が官邸に入り、岸田首相と意見交換との報道を受けてドル/円は一時154円を割り込みました。ただ、その後は154円台半ばへ切り返しています。

足元のドル/円は、過去2年にわたり上値抵抗と目された152.00円付近が下値支持に変わって切り返す展開となっています。先週末にイエレン米財務長官が為替介入にやや否定的な見解を示したことで、市場では政府・日銀が円買い介入を発動しづらくなったとの見方も出ています。そうしたことから、本日は海外市場でも円売り優勢の展開が続きやすいでしょう。まずは155円台へ上昇できるかに注目が集まります。

ドル/円をテクニカル分析で見ると、10日線がやや下向きですが20日・80日線が上向きを維持しています。また、RSIが50ラインを上抜けていることから反発基調が強まっていると見れます。目先は38.2%戻し155.00円、半値戻し156.00円、61.8%戻し157.00円付近と節目が意識されそうです。

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24:30 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演
24:30 ナーゲル独連銀総裁講演
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26:20 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁講演
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。

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これはドル安・円高圧力になる

対ドル円相場をめぐっては先週、中東情勢の悪化で投資家がリスクを避ける動きを強めたほか、日米韓の財務大臣会合で円安やウォン安について「深刻な懸念」を表明した。これらを受け、一時は1ドル=153円台後半まで円高ドル安に戻していた。

基本的に、この2つのシナリオが想定される。そのほかの焦点は米経済である。米利上げが長期化すると、2024年中のどこかで景気がスローダウンし、長期金利は低下するだろう。これはドル安・円高圧力になる。こうした景気減速感が鮮明になれば、解散総選挙を意識して日銀が緩和を現状維持していたとしても、円安圧力は後退していく。いずれにしても、1ドル150円台前半は円安のピークになり、解散総選挙の思惑によって日銀の出口戦略も変わっていくというのが今後のストーリー展開になるだろう。

ただ、中東情勢の懸念が後退したことなどで、再び日米の金融政策の違いに焦点が戻りつつある。米国では堅調な経済指標が相次いで発表されており、中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが遅れるとの見方が強い。高金利の長期化が見込まれるドルを買い、円を売る動きに振れやすくなっている。

外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、最新の市況解説を行うため、平日月曜から木曜まで20時ごろからライブ配信しています。FX初心者向けにFXやCFDの基本的な説明、また米ドル円を中心にここまでの相場の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。配信の後半では、ドル円の短期見通しや、S&P 500や金(ゴールド)などCFD銘柄のチャート分析も行っています。配信は、YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

円相場が24日、34年ぶり安値となる1ドル=155円台に下落した。政府・日銀による円買い介入への警戒は高まっているものの、じわじわと円安が進む。国内の輸入企業や機関投資家のドル調達ニーズは大きく、断続的に円を売って、ドルを買う注文が出てくるからだ。投機筋の円売りが値動きを増幅させている面もある。市場の関心は日銀の金融政策に移っている。

東京市場のドル/円は、154円台への戻りを試す展開。日本株高を受けて円売りが優勢となり早々に154円台を回復すると、豪中銀(RBA)理事会の結果を受けた豪ドル安・ドル高の影響もあって午後には154.65円前後まで上昇しました。欧州市場に入ると、米長期金利が低下したことに加えて植田日銀総裁が官邸に入り、岸田首相と意見交換との報道を受けてドル/円は一時154円を割り込みました。ただ、その後は154円台半ばへ切り返しています。足元のドル/円は、過去2年にわたり上値抵抗と目された152.00円付近が下値支持に変わって切り返す展開となっています。先週末にイエレン米財務長官が為替介入にやや否定的な見解を示したことで、市場では政府・日銀が円買い介入を発動しづらくなったとの見方も出ています。そうしたことから、本日は海外市場でも円売り優勢の展開が続きやすいでしょう。まずは155円台へ上昇できるかに注目が集まります。ドル/円をテクニカル分析で見ると、10日線がやや下向きですが20日・80日線が上向きを維持しています。また、RSIが50ラインを上抜けていることから反発基調が強まっていると見れます。目先は38.2%戻し155.00円、半値戻し156.00円、61.8%戻し157.00円付近と節目が意識されそうです。

今後、日銀の会合は10月30・31日、12月18・19日の年内2回が残されている。そこで改めて、政策修正を意識させる発言が飛び出せば、ドル円レートは昨年と同じように130円台前半まで修正されるだろう。

25日の東京外国為替市場ではアメリカ経済の堅調さや根強いインフレを受けて、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が早期に利下げするとの観測が後退したことを背景に、円を売ってドルを買う動きが一段と強まりました。円相場は、ドルに対してじりじりと値を下げ、1ドル=155円台後半まで値下がりして、1990年6月以来、およそ34年ぶりの円安・ドル高水準を更新しました。午後5時時点の円相場は24日と比べて73銭、円安ドル高の1ドル=155円62銭から64銭でした。また、円はユーロに対しても売られやすい状況が続き、一時は、1ユーロ=167円に迫って、2008年8月以来の円安ユーロ高水準となりました。午後5時時点では24日と比べて1円29銭、円安ユーロ高の1ユーロ=166円83銭から87銭でした。ユーロはドルに対して、1ユーロ=1.0720から21ドルでした。市場関係者は「日本時間の今夜発表されるアメリカのことし1月から3月までのGDP=国内総生産の結果が市場の予想を上回れば、アメリカの利下げが遅れるという見方が強まり、さらに円安が進む可能性もある。1ドル=155円を超え、政府・日銀による市場介入への警戒感が一段と強まる中で、日銀が、あすまで開く金融政策決定会合の内容やその後の植田総裁の記者会見でどのようなメッセージを出すかが注目されている」と話しています。

筆者は、今後、為替介入が実施されて、1ドル150円前後の水準から一旦140円を割るところまで円高方向の修正が起こるとみる。問題は、その後で金融緩和の方針に修正が着いてくるかどうかである。9月9日の読売新聞での植田総裁のインタビューは、年内利上げに言及する刺激的なものだった。しかし、9月22日の定例会見ではそれをあっさりと否定する。それもあって、返って円安が進んでしまった。

鈴木財務大臣は、1ドル=155円台まで円安が進んでいることについて25日午前に開かれた参議院の財政金融委員会で「私どもとしては市場をしっかりと今、注目しているところだ。それをもとに適切な対応をするという思いはいささかも変わらない。今の局面で多くを話すことができないことは何とぞ、ご理解を頂きたい」と述べました。

年内総選挙の場合、1ドル150円が円安のピークになり、日銀が2024年初から出口戦略に着手して、1ドル120~130円の円高水準で推移するだろう。筆者は、植田総裁がマイナス金利解除後は利上げを継続せず、0.1%程度をしばらく維持すると説明すると予想するので、いずれにしろ大幅な円高にならないと予想している。

外国為替市場では、日米の金利差を意識した動きが続いているだけに、今後、焦点となるのが、アメリカと日本の金融政策の行方です。アメリカでは、日本時間の25日夜、ことし1月から3月のGDPの発表を控えているほか、26日の夜には、中央銀行にあたるFRBがインフレの強さを見るうえで参考にしているPCE=個人消費支出の物価指数が発表されます。こうした統計の結果が市場の予想を上回れば、アメリカの利下げが遅れるという見方が強まって、さらに円安が進む可能性が指摘されています。さらに来月2日には、FRBの金融政策を決める会合の結果が明らかになりますが、今後の利下げの時期などについて言及があるのかが、注目されます。一方、日本では、日銀が、25日から2日間の日程で金融政策を決める会合を開いています。日銀は、先月、17年ぶりの利上げに踏み切ったばかりで、市場では「今回の会合で政策の変更はない」という見方も出ていますが、植田総裁が26日の会見で、今後、利上げを判断していく道筋などについて、どのようなメッセージを発するのかが、焦点となっています。また、円相場をめぐっては、政府・日銀の市場介入への警戒感も一段と高まっています。多くの投資家が節目として意識していた1ドル=155円を突破したことで、市場関係者の間では、「いつ介入があってもおかしくない」という声も出ています。一方で、根本の原因がアメリカのインフレと経済の強さにあるだけに、仮に介入したとしても円安の流れを大きく変えるのは難しいのではないか、という見方も出ていて、鈴木財務大臣をはじめ、政府関係者の為替に対する発言にも注目度が高まっています。

【そもそも解説】円安止まらず1ドル=155円に なぜ?影響は?

多くの人は、2022年10月中旬からの変化を思い出して、同じような相場展開になりそうだと、推論をしている。2023年10月から2024年前半までに似たストーリー展開だと暗に思っているだろう。簡単に、2022年10月のドル円の動きを復習してみよう(図表)。政府は、9月22日、10月21・24日の3回に亘って、為替介入を実施した。21・24日は、金曜日と月曜日で、2営業日連続である。累計9.1兆円という巨大介入である。この21・24日で円安はピークアウトした。

25日の東京外国為替市場は、円安が一段と加速し、円相場は、1ドル=155円台後半まで値下がりして、およそ34年ぶりの円安ドル高水準となりました。

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