南アフリカランド 月間為替予想「リスク選考が続けば緩やかな上昇」FXレポート 2024年4月

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南アフリカランド 月間為替予想「リスク選考が続けば緩やかな上昇」FXレポート 2024年4月
 

南アフリカランド相場見通し

ランドは金(ゴールド)急騰が支えた

 南アフリカ・ランドの対ドル相場は、グローバルな為替市場におけるリスクセンチメント、そしてそれを大局的に反映して変動する安全通貨であるドルの名目実効為替レートと連動性が高い(第1図)。

第1図:南アフリカ・ランド対ドル相場とドル名目実効為替レート

2月中旬以降、次第に頭打ち感がみられていたドルは、3月1日に公表された2月分米ISM製造業指数が予想比下振れたことなどを受けて米金利が下落すると、下落基調に転じた。ランドは当初2月中旬以降のドルの頭打ち局面では依然下落基調にあったが、3月以降の米金利低下を伴うドル下落局面では堅調な反発に転じた。高金利通貨でボラタイルに推移し易く、最近の軟調な推移の反動がみられた面があろう。また、3月1日に公表された南アの2月分製造業PMIが予想比上振れたことなどが材料視されたことや、主要な輸出品目である金価格が3月に入り急上昇したことも一定の支援材料になったとみられる

南アフリカ・ランド対ドル相場と金価格

第2図:南アフリカ・ランド対ドル相場と金価格

もっとも、3月中旬に公表された2月分米CPIやPPIが相次いで市場予想を上振れ、米金利の反発と共にドルも持ち直しに転じると、ランドは再び下落に転じた。

引き続き米国のインフレ動向やそれを受けたFRBの利下げのタイミングを巡る思惑に振らされ易い推移がみられている。この間、ランド円は日銀が当面低金利を継続するとの見方や、世界景気の安定(=リスク選好)を背景に緩やかな上昇がみられている。米国を中心に世界景気がインフレの沈静化と共に調整的な利下げでソフトランディングを達成し、足元のリスク選好的な環境が継続するかが、ランドの対ドル相場の行方だけでなく、ランド/円の底堅い推移の継続性をみる上でも重要な鍵となりそうだ。

南アフリカランド/円 週足チャート

南アランド円 週足チャート

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店頭FX(外国為替保証金取引)における新興国通貨取引のリスクについて
当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
 
橋本 将司氏

公益財団法人 国際通貨研究所 経済調査部 上席研究員
橋本 将司(はしもと・まさし)氏
慶應義塾大学卒業後、三菱UFJ銀行に入行。国際通貨研究所研究員、グローバルマーケットリサーチ・シニアアナリスト、経済調査室ニューヨーク駐在などを歴任し、グローバルな為替市場やマクロ経済に加え、米国金融業界や金融規制など幅広い分野の調査業務に従事。現在国際通貨研究所において、為替市場や主要国の金融政策・マクロ経済動向の分析を担当。理論的な観点からの為替市場分析を得意とする。

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南アフリカランド 月間為替予想 リスク選考が続けば緩やかな上昇

円高になるリスクは、投機筋が米ドルに対する日本円の売り越しを買い戻すことです。投機筋の円売りポジションは、約94億ドルと昨年5月以来の高水準なので、注意が必要でしょう。

日銀のCPIコア見通しは、金融緩和が長期化するとの市場の期待を高め、円安要因になったとみられます。 また、植田日銀総裁が、記者会見で「引き締めが遅れて2%を超えるインフレ率が持続するリスクよりも、拙速な引き締めで2%を実現できなくなるリスクの方が大きい」と述べたこともハト派的と受け止められたでしょう。

ドル円の予想変動率(1か月)は、年初来で最低に近い水準です。米ドルへの投資を考えた場合、リターンが米金利ならば、リスクは為替の変動率でしょう。ドル円の予想変動率がさらに下がれば、日米政策金利差が約5%もあるなか、金利の高いドルが強くなると考えます。今後1年でみればドル安円高でも、今後数か月はドル高円安との予想を維持します。

資源輸入大国である中国の景気回復が本物ならば、資源輸出国の経済や通貨にはプラスに働くでしょう(例えば、豪ドル、NZドル、南アランド、ブラジルレアルなど)。しかし、現段階では、中国の景気回復ペースを見極める時間帯だと考えます。

7月の雇用統計からみて、米国は景気後退の状態にはないでしょうが、市場の米国景気の見通しは割れています。米国を中心に世界景気が大幅に悪化すれば、株式や資源などリスク資産の価格は下落し、為替市場では、リスク回避の円高が発生しやすいと予想します。

一方で、物価見通しのリスクバランスついて、2023年度と2024年度は上振れリスクの方が大きいとしており、日銀はインフレの上振れリスクを警戒しているようにみえます。

市場では、米国景気とインフレの緩やかな減速によるソフトランディングシナリオが浮上しています。8月雇用統計もソフトランディングシナリオに沿った結果だと考えます。しかし、パウエル議長は、8月の講演で、金融政策運営を取り巻く3つの不確実な要因を挙げて、それらの不確実な要因が金融政策を引き締め過ぎるか引き締めが足りないリスクのバランスを取ることを複雑化させると述べました。

米10年金利は8月末の4%近辺から一時4.9%程度まで上昇した後、地政学リスクの高まりなどから、4.5%近辺まで低下していました。9月のCPIを受けて、米10年金利は、再び4.6%台まで上昇しています。過去の米10年金利と政策金利との比較や現状の米利下げ織り込みからみて、米10年金利の下限は政策金利より1%程度低い4.3%程度だと予想します。

しかし、米金融不安が抑制されて、金融市場が落ち着きを取り戻すには、時間が必要でしょう。米金融市場が不安定化したため、米金融機関が貸出に保守的になるリスク、企業が社債などで市場から調達する金利が高くなる可能性があります。

第二に、岸田内閣が、解散総選挙に踏み切った場合です。6月21日が国会の会期末ということもあり、市場では解散総選挙が近いとの見方もあります。為替市場への影響は不透明ですが、投機筋はイベントリスクを回避するために、円売りポジションを一旦圧縮するかもしれません。

2023年2月から3月初めまでのドル円相場は、128円台から137円台までドル高円安が進みました。2023年2月のドル円の月間値幅(高値と安値の差)は8円を超えています。昨年の1-2月の変動幅が2円台ですから、今のドル円の変動幅は大きいです。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は11月1日に発表されます。市場では、11月の利上げは見送られるとの見方が優勢です。ただ、市場の注目は、高い政策金利がいつまで続くかという点でしょう。その点、今の米国景気は強いですが、年末にかけては減速すると予想しています。理由は、コロナ禍の給付金などで生じた過剰なコロナ貯蓄が枯渇するリスクがあること、個人のクレジットカードの延滞移行率が上昇していること、学生ローンの返済が再開すること、などが挙げられます。市場が予想するアメリカの利下げ時期が、来年後半から前倒しされれば、アメリカの金利が低下して、ドル安円高に動くと考えます。

8月以降のドル円相場は、日銀の政策修正の有無に左右されるでしょう。ドル安円高方向のリスクを警戒しています。

第一に、米国景気やインフレの上振れリスクです。

また、7月の日銀金融政策決定会合での政策修正への警戒感も、ドル円を高下させたでしょう。7月28日の日銀会合に向けて政策修正リスクが意識されて、円金利が一旦上昇する局面では円高に動きました。しかし、日銀が現状維持する可能性が高そうだ、という複数の報道を受けて、円安に動きました。

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