ドル/円 今日の見通し「153円台の上値を試す?…ただ円買い介入が実施されると5円程度急落の可能性」2024/4/11

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ドル/円 今日の見通し「153円台の上値を試す?…ただ円買い介入が実施されると5円程度急落の可能性」2024/4/11
 

「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。

執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
X(Twitter) : https://twitter.com/gaitamesk_ueha

今日のドル円  テクニカル分析で環境認識

①日足:レンジブレイクで高値模索の展開へ・・・3月下旬から続いた151円台を中心としたレンジを上抜けると上昇に弾みがつき一時153.23円と34年ぶりの高値を更新しました。足元では、153.00円付近が上値抵抗になっていますが前日高値153.23円を突破すれば154円台をターゲットにした値動きとなりそうです。急上昇した反動で調整下落の動きが出たとしても152円台前半では押し目買いが入りやすく反発ポイントになる可能性があります。

ドル/円 日足チャート

今日のトレードシナリオ:買い目線も円買い介入に注意

②相場展開の予想・・・長らく続いたレンジを上抜けたことで上昇の勢いが強まっています。そのため買い目線で考えて行きたいところです。ただ、市場では本邦当局による円買い介入への警戒感が高まっています。実際に円買い介入が実施されると5円程度下落する可能性があるため注意が必要です。

③トレードタイミング・・・153.00円または前日高値153.23円を上抜くと上昇の勢いが強まる可能性があり買い場となりそうです。ただ、急速な動きだと円買い介入が入る可能性があるため利確と損切りポイントを考えておく必要があります。

ドル/円 60分足 ネオチャート(図1)

ドル/円 外為注文情報(図2)

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今後の注目経済指標・イベント

日本政府・日銀の防衛ラインと見られていた152.00円を突破したことで一段と円買い介入への警戒感が高まっています。そうした中、NY市場では米3月生産者物価指数(PPI)や新規失業保険申請件数が発表されます。結果を受けたドル/円が153円台の上値を試す展開となるようだと円買い介入が実施される可能性があるため注意しましょう。

4/11(木)
21:00 メキシコ2月鉱工業生産
21:15☆ECB政策金利
21:30☆米3月生産者物価指数
21:30☆米新規失業保険申請件数
21:45☆ラガルドECB総裁記者会見
21:45 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁講演
23:00 バーキン米リッチモンド連銀総裁講演
25:00 コリンズ米ボストン連銀総裁講演
25:30 グリーン英MPC委員講演
26:00 米30年債入札(220億ドル)
26:30 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演
—– ユーロ圏財務相会合
※☆は特に注目の材料

『20時からFXライブ配信(19時30分~宇栄原塾)』

経済指標・イベントの結果について

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経済指標カレンダー

お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。

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原油についても WTI価格が1バレル80ドル台半ばに移行している

2023年4月に日銀の黒田総裁が任期満了を迎えます。市場では総裁交代による日銀の政策軌道修正の有無に注目が集まっています。次期総裁の有力候補としては、雨宮副総裁と前副総裁である中曽氏の2人です。雨宮副総裁は日銀一筋で、黒田総裁の下で大規模な金融緩和を推進してきました。一方の中曽氏は国際派として知られ、国際決済銀行(BIS)市場委員会で議長を務めた経験があります。今のところ、黒田路線を引き継ぐとみられる雨宮副総裁を予想する声が多いです。注意したいのが、中曽氏が総裁候補として有力視された場合は金融緩和の副作用への対応が意識される点です。仮に長らく続いた異次元金融緩和政策が修正される思惑が強まるようであれば、歴史的なドル高・円安トレンドからの転換を迎える可能性もあります。そうなれば、米ドル/円は下目線で時間をかけながら2022年の上昇幅を戻していくかもことも想定されます。

本日、ドル円が150.80レベルをトライするシグナルとして注目したいのが、直近高安のフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準150.45レベルである。

ドル円の反発局面で注目したいのが、10日線の攻防である。この移動平均線は今日現在、150.33レベルで推移している(上の日足チャート、緑ラインを参照)。

では、米長期金利の上昇はどうして進んでいるのだろうか。まず、米CPIの伸び率が2024年3月の前年比で3.5%(総合)と事前予想よりも高かったことに反応して、ドル高が進んだ。これは、FRBの早期利下げが怪しくなってきたという市場の読みがある。これまでパウエル議長は、2024年内で3回の利下げを実施することを改めて確認してきたが、予想外にインフレ圧力が高まっているため、それができなくなる可能性がある。原油についても、WTI価格が1バレル80ドル台半ばに移行している。ここには、イスラエルの軍事行動がイランを刺激して、中東情勢を緊迫化させている影響がある。バイデン大統領が、ネタニヤフ首相をなかなか説得できないところがもどかしい。

一方、ドル円が10日線を難なく上方ブレイクする場合は、レジスタンスの水準として意識されている150.80レベル(下の1時間足チャートを参照)および151.00レベルをトライする状況が続くだろう。

反発局面での焦点は10日線の突破 一方、今日の米経済指標が米ドル買いの要因となる場合は、ドル円(USD/JPY)の下支え要因となろう。だが、円買い優勢の状況にあることを考えるならば、ドル円の上昇幅は限定的となることが予想される。

ポンドドルは4/1の1.26ドル台前半から取引を開始したものの、米3月ISM製造業景気指数が市場予想を上回り、米長期金利の上昇とともに1.2540ドルまで下落したことを受けてポンド円も191円35銭を高値に190円18銭へ下落。こうした流れを受けて4/2の朝方の1.2539ドル、190円05銭を安値に4/3の米3月ISM非製造業景気指数が予想を下回ったほか、パウエルFRB議長が利下げの可能性を除外しないと述べたことからそれぞれ1.2656ドル、191円94銭へ反発。一方、4/3発表の英3月サービス業PMI(改定値)が速報値から下方修正されポンド売りに反応したものの、米新規失業保険申請件数の悪化を受けて1.2684ドル、192円25銭へ一段と上昇。しかし、英中銀が市場予想よりも早く利下げを開始するとの観測とともにポンドのセンチメントを反映する対ユーロで6日続落したほか、4/5発表の米3月雇用統計を受けて1.2575ドルへ下落し、雲の下限(1.2645ドル)を下回ったまま1.2638ドルで取引を終えた一方、ポンド円はドル円の上昇にサポートされ190円68銭を安値に191円63銭へ反発して取引を終えました。3月の英中銀政策委員会では前回利上げを主張した2名の委員が現状維持への賛成票を投じたことでハト派姿勢を強めたとの観測が高まって以降、先週のイースターマンデー明け以降、こうした英中銀の早期利下げ観測が上値を抑制。そのため、ポンドドルは三役逆転のまま先週末の取引を終えたことから4/2の1.2539ドルを下抜け2/5の1.2519ドルを下回れば昨年12/13の1.2500ドルを目指して一段安となる可能性があります。そのため、4/10の米3月CPIや3月FOMC議事要旨への反応のほか、4/11のECB理事会を受けた対ユーロでの反応に加え、4/12発表の英2月の月次GDPや鉱工業生産に対する反応が注目されます。また、ポンド円は日足・基準線/転換線(190円74銭/191円14銭)を下値支持線として4/4の192円25銭を上回り3/20の193円54銭の回復を目指して一段高となるか、ドル円及びポンドドルの動向と合わせて注目されます。

今日もドル円の調整相場(反落)が続く場合は、IG為替レポートで注目している149.50レベルと149.00レベルの攻防が焦点となろう。

4/1の98円95銭を高値に米3月ISM製造業景気指数が市場予想を上回り米長期金利の上昇とともにNYダウの下落とともに98円27銭へ下落した流れを受けて4/2には98円26銭へ下落。しかし、3/28の安値(98円17銭)を前に下げ止まり、イランがダマスカスの領事館へのミサイル攻撃を巡り報復を誓って以降、イスラエル大使館は厳戒態勢に入ったとする中東情勢の緊迫を背景にNY原油先物価格が4/4には昨年10月以来の86ドル台へと5日続伸したことに伴い豪ドルが対ユーロ、対ポンドで上昇を続けたことにサポートされ2014年12月以来の高値となる100円40銭まで上昇。しかし、NYダウが530ドル安と4日続落したリスク回避とともに99円48銭へ急落。さらに4/5には米雇用統計の発表を前に利益確定売りに押され99円20銭へ下落したものの、米雇用統計が予想以上に米労働市場の堅調を確認するとともに、NYダウが5日ぶりに反発したことも好感されドル円、ユーロ円の上昇とともに99円83銭へ反発し99円76銭で取引を終えました。3/11の安値(96円90銭)と4/2の安値(98円26銭)を結んだ下値抵抗線や日足・転換線(99円28銭)にサポートされ堅調地合いと継続しているものの、4/2に公表された3月の豪中銀政策理事会議事要旨では、利上げを検討しなかったことが明らかとなり、年内の利下げ観測を継続。一方、中東情勢を巡る緊迫によりNY原油先物価格は先週末まで6日続伸し、先週を通じて4.5%上昇したことから資源国通貨としての豪ドル買いが上昇をサポート。そのため、今週も引き続き中東情勢を巡る原油価格の動向に加え、1)4/9発表の豪3月企業信頼感指数や4月消費者信頼感指数 2)現状維持が見込まれる4/10のNZ中銀政策委員会での声明に対するNZ円の反応 3)4/10発表の米3月CPIや3月FOMC議事要旨の結果と反応 4)4/11発表の中国3月CPI/PPIを受けた上海株の動向などを中心に4/4の100円40銭を上抜けるか、ドル円の152円00銭を巡る攻防と合わせて注目されます。

短期スパンのストキャスティクスとRSIが買われ過ぎの水準にある時に、ドル円が上で述べたレジスタンスの水準をトライする局面では反落を警戒したい。

しかし、為替介入が実施されたとして効くのだろうか。現在の円安は必ずしも投機的とは言えない。米長期金利が4.5%台まで上昇しており、この円安は内外金利差の拡大で説明できる。投機的ではなく、内外長期金利差の拡大を背景にした円安であれば、為替介入が行われたとしても、円安の進行を食い止めることができない可能性がある。もしも、為替介入が行われても円安トレンドが変わらなかった場合、米長期金利が4.5%台が定着して、ドル円レートは1ドル155円近くまで進むというシナリオもあり得る。膠着状態で円安マグマが貯まっていたということだろう。

次に、4月初発表の3月米雇用統計の非農業部門雇用者数が、強い数字だったこともドル高要因である。雇用拡大は、米経済の好調さを裏付ける。インフレ圧力によって米CPIは、前年比3%台から、目標の2%へと鈍化していかない。すると、自ずと利下げ見通しは遠のくことになる。

米金利の低下は米ドル安の要因だが、現在は連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が後退する状況にある。昨日の米ドル相場が主要通貨で強弱まちまちの展開となった状況を考えるならば、米金利が低下しても米ドル相場の反応は通貨別でまちまちとなる可能性があろう。

円安を調整する状況が続くなかで2月の米ISM製造業景気指数が米金利の低下要因となれば、ドル円(USD/JPY)は米ドル安の圧力も重なり、下値トライを意識する状況が続くと予想する。

4月10日のNY市場では、ドル円レートが歴史的な円安水準をつけて、1ドル153円台になった。2024年3月の米CPIが予想以上の伸びになったことを受けている。米長期金利が上がり、さらなるドル高円安を招いたのだ。この水準は、1990年7月以来34年ぶりになる。

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