FRB議長、利下げの先延ばし示唆

FRB議長、利下げの先延ばし示唆
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FRB議長 利下げの先延ばし示唆

年明け後のドル高円安の流れを形作ったのは、2024年の米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げについて、慎重な見方が浮上したことだ。また、それを後押ししたのは、1月4日にFRBが発表した昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨だ。

7月31日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の利下げ(政策金利の引き下げ)が決定される可能性が高い。ただし、利下げが示唆された前回6月のFOMC以降に発表された米国の主要経済指標は、概ね予想を上回るものとなっている。6月分雇用統計では、非農業部門雇用者増加数は事前予想を大きく上回る22.4万人増となった。さらに、26日に発表された第2四半期GDP成長率速報値は年率2.1%と、やはり事前予想を上回っている。これらの指標が示す米国経済の状況は、比較的安定しているのである。

過去のFRBの政策に照らせば、0.5%の大幅な利下げが実施されるのは、景気情勢が思いのほか悪化し、それに遅れて対応がなされる場合、あるいは金融危機のような大きなショックが突然発生した場合だ。予防的措置であるならば、今回は0.25%の利下げ幅となりやすいだろう。

他方で、追加利上げの可能性はなお排除されていない中、数人のFOMC参加者は、現在想定されているよりも長く政策金利を据え置く可能性がある、と指摘している。「利下げを議論した」と発言した昨年12月のFOMC後の記者会見でのパウエル議長の発言を受けて、金融市場は2024年に6回程度の利下げを織り込んだ。しかし、この議事要旨の内容は、市場の利下げ観測を幾分後退させ、ドル高円安の流れを形作ったのである。

日本銀行は、FRBの利下げが一巡するのを待ってからマイナス金利政策解除に動くのではないか。現在、FOMC内で予想されているのは、2024年中に3回程度の利下げである。その場合には、日本銀行は今年10月の会合でマイナス金利政策解除に動くことが可能となる。他方、金融市場は2024年中に6回程度の利下げを予想しているが、その場合には、利下げ観測は年内いっぱい続き、日本銀行のマイナス金利政策解除は2025年に先送りされるだろう。

FOMCが予想する2024年3回程度の利下げは、インフレリスクが低下する中、金融引き締めの程度を多少緩める微修正を意味する。他方、金融市場が予想する6回程度の利下げは、米国景気の減速傾向がより明らかになり、景気支援のための利下げという要素を含んでいよう。2024年のFRBの利下げ幅の鍵を握るのは、やはり今後の米国経済の動向である。日本銀行のマイナス金利政策解除も、その影響を強く受けるはずだ。

【ワシントン共同】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は29日、政策金利を「急いで引き下げる必要はなく、物価上昇率が持続的に(FRB目標の)2%まで下がることをより確信できるようになるまで待つことができる」と述べた。金融市場では6月に利下げを始めるとの見方が目立つが、パウエル氏は開始時期は経済指標次第だと改めて強調した。

12月米ISM非製造業指数を受けて、再びFRBの利下げ観測が強まり、ドル円レートは1ドル143円台までドル安円高に振れた。

利下げ観測をさらに後退させることになったのは、1月5日に公表された米国12月分雇用統計だ。それは、米国の労働市場がなお良好であることを示唆するものとなった。

それでも、FRBが2024年中に利下げに踏み切る可能性は高い一方、2%の物価目標達成が見通せるかどうかは別にしても、日本銀行がマイナス金利政策解除など正常化を志向していることは変わりなく、2024年の為替市場はそうした日米の金融政策の方向性の違いから、ドル安円高となりやすいと見る。2024年末時点で1ドル130円~135円と比較的緩やかな円高進行を予想する。

そこでは、政策金利はピークにある可能性が高く、2024年中に利下げが開始されるとの認識が示される一方、景気抑制的な政策スタンスを「当面」維持するのが適切、との見解で一致したことが確認された。

ただし、こうした疑問が金融市場で大きく広まることはないだろう。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、次回の利下げが、景気悪化への対応ではなく、予防的措置であることを既に強調しているためだ。米国経済の状況は比較的安定を維持していても、海外経済の弱さが目立つこと、物価上昇率が目標値を下回っていることから、予防的な利下げは正当化される、との考えだろう。

17日の債券相場は下落が予想されている。米国でパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が利下げを急がない姿勢を示したことを受けて、長期金利が一段と上昇した流れを引き継ぐ。為替市場での円安進行も日本銀行の追加利上げ観測を強める。一方、この日行われる日銀の国債買い入れオペが相場を下支えする。

ボスティック総裁は、今後さらにインフレ期待やインフレ率が低下すれば、FF金利を引き上げなくても実質金利が上昇することを指摘しており、そのことは将来の利下げ開始が早まることもまた示唆している。

こうした環境下での利下げ実施については、FOMCの中でもその妥当性を疑問視する声が出ており、実際、利下げへの反対票が最大で2票出てくる可能性がある。

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