原油価格は反落。地政学的リスクプレミアムが縮小(市況と分析)2024/4/30

FXブログ
原油価格は反落。地政学的リスクプレミアムが縮小(市況と分析)2024/4/30
 

WTI原油価格(外為どっとコムの取引口座「CFDネクスト」の銘柄名:WTI原油)について、現在までの推移とこの先のポイントについて短時間で確認できるよう簡潔にまとめました。

※最新のWTI原油レポートはコチラ

WTI原油先物市場の値動きまとめ

ニューヨーク原油先物相場は3営業日ぶりに反落。中東情勢の緊迫化による供給不安から買いが入っていたが、イスラム組織ハマスとイスラエルの間で停戦の機運が高まってきたことで、原油価格の地政学的リスクプレミアムが縮小。WTI先物6月限は、前営業日比1.22ドル安の82.63ドルで取引を終えた。

ロンドン市場では83.91ドルまで買われたものの、需給ひっ迫の懸念は和らぎ、米国市場の後半にかけて82.40ドルまで下落。

今後は、FRBの金利決定や経済見通し、主要な経済指標など、原油価格を大きく変動させる要因に注目が集まる。

最新の原油CFDチャート(外為どっとコム「CFDネクスト」)

30分足チャート

WTI原油 30分足チャート

日足チャート

WTI原油 日足チャート

日足チャートの10日移動平均線は右肩下がりが続き、価格は移動平均線を下抜けた。相場の過熱感をはかるテクニカル分析のRSIは、基準である50%まで上昇している。

※リアルタイムの価格はこちらから確認できます。
WTI原油 株価指数・商品CFDチャート│はじめてのFXなら外為どっとコム

WTI原油先物市場の上昇・下落要因

上昇要因

供給の減少:産油国による生産カット、地政学的緊張、自然災害などによる供給の減少。
需要の増加:経済成長に伴うエネルギー需要の増加。
地政学的リスク:産油地域での政治的不安定、紛争、制裁など。
通貨価値の変動:ドル安が進むと、ドル建ての原油が相対的に安価になり、需要が増加する。
市場の投機:投資家による将来の価格上昇への賭け、投機的な買い。
石油代替エネルギーへの移行の遅延:再生可能エネルギーへの移行が遅れると、中長期的に原油への依存が続く。
米シェールオイル産油量の減少:技術的な問題、資本の制約、あるいは環境規制などにより米国のシェールオイル産油量が減少する場合、全体の供給が減少し、原油価格を押し上げる可能性あり

下落要因

供給の増加:産油国による生産量の増加、新たな油田の開発。
需要の減少:経済の減速、代替エネルギーへの移行による石油製品需要の減少。
地政学的リスクの緩和:産油地域の政治的安定化。
通貨価値の変動:ドル高が進むと、ドル建ての原油が相対的に高価になり、需要が減少する。
市場の投機:将来の価格下落への賭け、投機的な売り。
技術革新:エネルギー効率の向上、代替エネルギー技術の進展による石油需要の減少。
シェールオイル産油量の増加:技術革新や投資増加により、米国シェールオイルの採掘が効率化され、産油量が増加した場合、全体の石油供給量が増え、原油価格を下押しする可能性があり

外為どっとコム「CFDネクスト」の魅力

外為どっとコムのCFDサービス「CFDネクスト」は、ひとつの口座で世界の株価指数や金・原油、米国株などのさまざまな商品に投資ができます。

取引手数料が無料

取引手数料が無料なので少ない保証金で取引を開始できます。
さらに銘柄によっては最大20倍のレバレッジがかけられるため、少ない保証金で効率よくお取引ができます。

ロスカット手数料は別途発生します。詳しくはこちら

「売り」から入ることもできる

「買い」だけでなく「売り」から入ることも出来るため、相場が下落して価格が下がった際にも利益を出すことができます。

「日本円」で取引できる

世界の様々な商品も、FXと同様に「日本円」のまま取引することができます。

お知らせ、キャンペーン

CFD取引デビュー応援キャンペーン|はじめてのFXなら外為どっとコム

CFD(CFDネクスト)のご案内|はじめてのCFDなら外為どっとコム

お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信

外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

12時からのFXライブ解説 配信チャンネルはコチラ

YouTube特別キャンペーン告知QRバナー

 
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 原油価格は反落。地政学的リスクプレミアムが縮小(市況と分析)2024/4/30

原油価格は反落 地政学的リスクプレミアムが縮小 市況と分析

米金融大手ゴールドマン・サックスは4月23日に、原油価格における地政学的なリスクプレミアムは1バレル当たり5~10ドルと依然として高いものの、今後数ヶ月で一段の緩和が見込まれると予測。地政学情勢による供給への影響がないという基本シナリオでは、ブレント原油価格の上限は90ドルになるとの見方を維持しております。

ニューヨーク原油先物相場は反落。イスラム組織ハマスとイスラエルの間で停戦の機運が高まってきたとの見方から、原油価格の地政学的リスクプレミアムが縮小した。

独金融大手コメルツ銀行は4月19日に、2024年4-6月期末のブレント価格見通しを90ドルと予測。2024年後半は90-95ドルで推移するとの見方を示しております。地政学的リスクに加え、年後半に石油需要が増加する一方、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」の供給が抑制されるとの見方が理由。

なお、同社は4月18日に、2024年下期のブレント原油価格見通しを従来見通しの85ドルから86ドルに引き上げております。2025年も80ドルから82ドルに上方修正。

欧州ガス市場は、他のコモディティと並んで下落しました。ロシアからのガス供給量に大幅な減少がなかったことや、春になり暖房需要が減少していることが下落の一因となりました。スポット価格は下落に転じ、1MWhあたり100ユーロ近辺で推移しています。3月7日には一時、1MWhあたり345ユーロと、原油換算で1バレル630ドルに相当する記録的な水準に達しましたが、現在はこのパニック的な高値から70%も急落したことになります。米国の液化天然ガス(LNG)出荷の急増で供給が増加したことと、今冬が暖冬だったことで、懸念材料だったガス貯蔵の枯渇が回避されたため、欧州ガス市場は全般的に、年初に懸念されていたよりも良い状態にあります。しかし、次の冬の見通しは依然として厳しい状況にあり、10月から冬季にかけての先物は1MWhあたり95ユーロ弱の水準で推移しています。この水準は、エネルギーを大量に消費する業種にとって、持続的かつ長期的に厳しい状況となることを示します。金も、他の大半のコモディティと同様、2020年の最高値2,074ドルまであと数ドルに迫るパニック的な高値を付けた後、下落に転じました。現在の地政学的リスクを測る最適な指標である石油価格が下落したことに加え、16日のFOMC会合を前に不安感が高まったことを一因として、金価格は175ドルもの調整となり、1オンス1,900ドル弱で主要な支持線とぶつかりました。その後、FOMCが満を持してようやく利上げサイクルを開始したことを受けて、金相場は反発しました。FRBのPowell議長が経済成長に関して楽観的な見方を示したことに反応して株式市場が上昇した一方、FRBが景気減速のリスクを冒さずにインフレを抑制することは難しいとの懸念から、金現物が買い戻されました。

コモディティセクターは依然として不安定であり、様々な要因が相まって、相場変動を切り抜けることがますます難しくなっています。3週間以上前にロシアがウクライナに侵攻してから、主要コモディティで驚異的な急騰が起こりましたが、ここ1週間でその勢いは後退しました。最も顕著だったのは原油です。原油価格は、85ドル分を行き来して一時、1バレル100ドルを割り込み、その中で戦争によるプレミアムの大部分が解消しました。成果はないながらも継続中のロシアとウクライナの停戦交渉や、数回にわたる米国の金利引き上げの1回目の実施、そして中国政府による景気支援策の確約を背景に、コモディティセクター全体でボラティリティは引き続き上昇しました。

ブレント原油価格は約97ドルから139ドルまで上昇した後、下落に転じて開戦前の水準まで戻り、3週間で85ドル分も行き来するという前例のない値動きとなりました。ほぼ14年ぶりの高値からの調整の原動力となった要因は、ロシアとウクライナの停戦交渉と、新型コロナに関連する一時的な中国需要の減少であり、極度のボラティリティによりトレーダーはポジションを縮小しました。今後数週間でロシアからの供給減がますます感じられるようになり、新型コロナに関連する一時的な中国の需要減速を相殺する以上に大幅に供給が落ち込めば、現在の価格下落は時期尚早だったということになる可能性があると考えます。しかし、米国の利上げサイクルが始まったのに伴い、今後は世界的な経済成長を巡る懸念が高まります。このため、石油価格は、数ヶ月にわたる供給不足にもかかわらず、直近の高値に向けて再び急騰することにはならない可能性があります。しかし、リスクプレミアムはほぼ解消されていることから、石油市場は、ロシアとウクライナの状況の悪化から影響を受けやすい状況が続くことになるでしょう。

(1)新規材料に乏しい中、前日から続いた円買いの動きが一服し、利益確定の円売りが先行する動きとなった。また、下落して始まった日経平均株価がプラス圏まで持ち直したことも材料視され、序盤のドル円・クロス円は堅調な動きとなった。(2)仲値通過後は、ややドル売りとなる場面もあったが、日米経済対話の初回がほぼ予想通りの結果となったことや、米財務長官のドル高は長期的には良いとの発言が改めて意識され、ドル買いが優勢となった。また、米債券利回りが上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。(3)米国の主要な経済指標の発表がなかったものの、引き続き米債券利回りの上昇を材料に、ドル買い・円売りが続いた。(4)堅調な展開で始まったダウ平均株価がマイナス圏に下落し、下げ幅を拡大する動きとなったこと、また上昇が続いていた米債券利回りが反落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、原油価格が急落したことも影響し、豪ドルなどの資源国通貨は下げ幅が拡大した。

コメント

タイトルとURLをコピーしました