ドル円予想「上値余地を探る動き。上値抵抗にも注意。」FXチャート分析 2024/5/1

ドル円予想「上値余地を探る動き。上値抵抗にも注意。」FXチャート分析 2024/5/1

【ドル/円】上値余地を探る動き。強い上値抵抗にも注意。

直近の日足は高値圏で引ける陽線引けとなり続落を食い止めています。上値トライの可能性に繋げていますが、前日の大陰線の影響を受けた状態にあるので、158円台前半から厚くなる上値抵抗にぶつかる可能性にも注意が必要でしょう。短期トレンドは“ニュートラルから若干ドル強気”の流れにありますが、154.70-80の抵抗を実体ベースで下抜けて終えた場合は、下値リスクが点灯します。

ドル買いは156.40-50の押し目待ちとします。損切りは155.40で一旦撤退です。これが付いた場合は“ニュートラル”な状態に戻します。売りは様子見か158.20-30で軽く売って158.70で浅めに撤退するか、159.00-10の戻り待ちとします。この場合の損切りは159.60で撤退です。

日足の上値抵抗は158.20-30,159.40-50,160.00-10に、下値抵抗は156.30-40,155.60-70,155.00-10,154.70-80にあります。

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ドル円予想 上値余地を探る動き 上値抵抗にも注意

先々週は一旦147.15円をトライし、10月3日安値を下回った。その後大きく切り返して大引けしたものの、頭打ちの構造を示し、米ドル高サイクルのトップアウトを暗示したわけだ。つまり、先週の続落、また安値での大引けは同トップアウトを証明しただけではなく、想定より早く弱気基調への転換を示した。

翌15日発表の米10月小売売上高は市場予想ほど弱含まず、米10年債利回りが再び4.5%台へ切り返す中、ドル円も151円半ばへ戻したが、買いの流れは限定的に。16日には、米新規失業保険申請件数が約3カ月ぶりの水準へ増加したほか、米10月鉱工業生産が市場予想より弱く、ドル円の戻りは重くなった。

ただ、サンフランシスコ連銀総裁やボストン連銀総裁がインフレへの勝利宣言は時期尚早など、利上げ姿勢を確保する発言が飛び出し、米10年債利回りが4.45%付近へ戻したため、ドル円は下げ渋りをみせた。

月足は、10月足が実体の小さい陽線引けとなり続伸に繋がりましたが、強い上値抵抗を抜け切れておらず、上昇余力に欠けるものです。また、2015年6月に付けた125.86を起点として上値を切り下げる流れにも変化が認められず、この月足の上値抵抗が114.50~114.80にあることから、これにぶつかる可能性にも注意が必要です。一方で10月足の下値抵抗が110.00±20銭にあり、これを下抜けて越月しない限り、下値余地も拡がり難いでしょう。31ヵ月移動平均線は11/6現在113.45にあり、現状はこれを上抜けた位置で推移していますが、“ダマシ”となる可能性があります。

4/22のシドニー・ウエリントン市場での99円07銭を安値に4/26のNY市場終盤にかけて103円48銭まで上昇し、103円45銭で取引を終えました。1)英米両政府がロシアへの追加制裁として、ロンドン金属取引所(LME)とシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でロシア産の銅、アルミ、ニッケルの取引を禁止したことで、総合的な商品価格を示すCRB指数が2022年8月以来の高値圏で推移したこと 2)4/23の米2年債入札に対する旺盛な需要が確認され米長期金利の低下とともに欧米主要株価指数が上昇したリスク選好にサポートされたこと 3)4/24発表の豪1-3月期CPIが前期比/前年比ともに市場予想を上回り年内の利下げ観測が後退したことやドル円が155円台を上抜けても本邦の通貨当局が静観したこと 4)4/25-26発表の米1-3月期及び米3月PCEコアデフレーターが市場予想を上回りFRBの利下げ開始観測の後退とともに日米金利差拡大を受けて円売りが加速したこと 5)4/26の日銀金融政策決定で「緩和的な金融環境を維持する」との方針があらためて示されたことから円が全面安となったことが材料視されました。今週も本邦通貨当局による円買い介入がないままドル円が一段高となれば2013年4月以来の105円台まで円安が進行する可能性があります。しかし、先週を通じて円が全面安となったことから急ピッチな上昇に対するポジション調整や利益確定売り、さらには円買い介入への警戒が上値抑制につながるか注目されます。一方、4/30-5/1のFOMCや5/3の米雇用統計を受けてドル円が160円台へと一段と円安が加速する可能性もあり、日足・転換線/基準線(いずれも100円48銭)を目先の下値支持線とする堅調地合いを維持すると見込まれます。そのほか、1)4/30の豪3月小売売上高や5/2の豪3月貿易収支 2)5/1発表のニュージーランド1-3月期雇用統計に対する対NZドルへの反応が合わせて注目されます。

豪ドル/円相場は先週切り返し、値幅こそ限定的だったものの、堅調な推移を保った。先週保ち合いとなり、やや弱含みの展開となったが、上放れの志向が強く、これからブレイクすることを示唆していたため、先週一旦高値更新したことを重視しており、ここから上放れするという見方は変わらない。

ユーロ/円は9/22に付けた134.41と10/25に付けた134.49で短期的な二番天井を確認した形となり、上値を再び切り下げ始めています。また、132.80に位置する21日移動値平均線の下にも入り込み始めており、短期トレンドは一段の下落リスクに注意が必要となっています。中期トレンドが強気の流れを維持しているため急落にも繋がっていませんが、4/17に付けた114.86を起点として下値を切り上げて来た流れからはすでに下抜けた位置で推移していることから、134.50-60の抵抗をクリアするか134.20超えで越週しない限り、一段の下落リスクに注意が必要です。日足の上値抵抗は132.80-90、133.80-90に、下値抵抗は132.00-10、131.50-60にあります。134.50超えに値を戻せば強気に変化、逆に131.50割れを見た場合は130円方向への一段の下落リスクに注意が必要となります。

ユーロ/ドルは、9/8に付けた1.2092を直近高値として調整下げ局面に入っています。中期トレンドがユーロ強気の流れを維持していることから、急落にも繋がっていませんが、週足ベースでは調整下げに入って2週間が経過したところで、通常の調整下げ期間に鑑みれば少なくともあと1~2週間は下値余地を探る動きが続く可能性も高いと見られます。調整下げに留まるなら1.1500~1.1460を大きく下抜けない可能性も高いと見られるものの、調整下げに入って日が浅いことから、反発余地がまだ限られ易いので、値頃感からのユーロ買いは控えた方がいいでしょう。短期トレンドは1.19台を回復すればニュートラルな状態に戻しますが、1.20台に日足の実体を戻すまでは下値リスクを残します。21日移動平均線は1.1875にあり、上値を押え込んでいますが、120日、200日線は1.1480、1.1149に位置しており、中期トレンドをサポートした状態です。しかし、62ヵ月移動平均線が1.2060に位置しており、重要な節目にぶつかった可能性があることから、今月のユーロ買いはしっかり底をついて、立ち上げが確認されるまでは慎重に臨む必要がありそうです。

豪ドル/円は、理論上では97円大台の再打診があれば、99~100円といった新たなレンジの上限にトライできるため、97円以上の定着さえあれば、大きな問題はないだろう。今後も、押し目買いのスタンスを継続していきたい。

とはいえ、パウエルFRB議長は11月FOMC後の記者会見で「利下げについて現時点で全く考えていない」と発言。それどころか、Fed高官を含め、利上げ余地を確保する見解が聞かれている。Fedの現状の政策姿勢を見る限り、早々に利下げ転換に踏み切るようには見えない。今後、米経済指標とFed高官の発言次第で、米金融政策の思惑が変化する余地は十分ある。しかし、今週はFed高官や米重要経済指標の発表が限られるだけに、米金融政策の思惑が大きく変化する可能性は低く、ドル円の上値は抑えられるのではないか。

4/19にラムスデン副総裁によるインフレ緩和を見込む発言を受けて英中銀の6月利下げ開始観測を背景に4/22の1.2300ドルを安値に1)4/23発表の英4月サービス業/総合PMIが市場予想を上回り製造業PMIの下振れを相殺したこと 2)英中銀チーフエコノミストのピル氏が早期利下げ開始観測を牽制したこと 3)ポンド円が4/22の190円32銭を安値にドル円を軸にした円安基調を背景に連日で安値/高値を切り上げ、4/26の日銀政策決定会合を受けて197円93銭まで上昇したことを背景に4/12以来の1.2541ドルまで上昇。しかし、米3月PCEコアデフレーターが市場予想を上回ったことから1.2449ドルへ反落し1.2494ドルで取引を終えたほか、ポンド円は197円82銭で取引を終えました。今週は英国発の主要経済指標もないため、1)4/30-5/1のFOMCのほか、5/1発表の米4月ISM製造業景気指数や5/3の米4月雇用統計を受けてドル高基調が一段と進むか 2)歯止めのかからない円安が続く中、本邦通貨当局による円買い介入の有無を含め、ドル円が160円を目指して一段と円安が加速し、ポンド円も節目の200円台へと一段高となるか注目されます。ポンド円は先週1週間で7円60銭ほどの急速な円安進行の後だけに円買い介入への警戒のほか、ポジション調整にも注意が必要です。こうした状況下、ポンドドルは日足・転換線(1.2420ドル)を下値支持線として基準線(1.2504ドル)を明確に上抜け、200日移動平均線(1.2557ドル)を回復するか、あるいは基準線を上値抵抗線として転換線を下抜け、4/22の1.2300ドルを目指して下落するか注目されます。

中東情勢を巡る過度な地政学リスクが後退した一方、4/25-26の米1-3月期GDPや米3月PCEコアデフレーターの発表を控え対ドルで伸び悩んだものの、4/23の8円03銭を安値に南ア2月の景気先行指数が112.80と1月(110.80)から上昇した一方、米4月製造業/サービス業PMIが市場予想を下回ったこと、さらにドル円、クロス円の上昇とともに4/25には8円21銭へ上昇。さらに4/26の日銀金融政策決定や植田日銀総裁の会見を受けて円が全面安となる中、8円42銭まで上昇し8円41銭で取引を終えました。心理的節目とされる8円00銭を目先の下値として意識するとともに、日足・転換線/基準線(いずれも8円16銭)を下値支持線とする堅調地合いを継続。また、中東情勢を巡るリスク回避の後退や日銀金融政策決定会合で「緩和的な金融環境を維持する」意向を示したことが下値をサポート。一方、南アの財政面を巡る脆弱性や景気先行きへの不透明感などファンダメンタルズの脆弱性に加え、5/29実施の総選挙でラマポーザ大統領率いる与党ANC(アフリカ民族会議)が大幅に議席を失うと見込まれる政局不透明感が上値抑制につながるか注目されます。また、4/30発表の南ア最大の貿易相手国である中国4月製造業/非製造業PMIへの反応ほか、4/30-5/1のFOMC、さらに5/3の米4月雇用統計を受けた対ドルでの反応も注目されます。しかしながら、本邦通貨当局による円買い介入でも円安基調を大きく転換することが難しいとされるだけに今週も8円台前半を中心に8円50銭を目指し一段高となるか注目されます。

総合的に見ると、やはり心理大台の150円台の打診は覚悟しておきたい。その反面、それ以上の上値トライがあったとしても定着はしないだろう。

一方週足を見ると、実体が小さく下ヒゲのやや長い陽線引けとなり、下値抵抗に跳ね返された形となっています。この反動で今週は上値トライの動きが強まっていますが、週足の上値抵抗が114.50-60、115.20-30に位置していることから、これをしっかり上抜けて越週しない限り、下値リスクを残します。週足の下値抵抗は113.00-10、110.80-00にあります。31週、62週移動平均線は111.37と110.93に位置しており、強い下値抵抗として働く可能性がありますが、両者が収縮中であることから、近々に新たな方向へ抜け出す可能性にも注意が必要でしょう。

アメリカ経済の先行きに対する楽観的な見方や、継続的な利上げ観測、さらにはトランプ政権による税制改革への期待感も膨らみ、為替市場はドル全面高の展開となっています。地政学的リスクによるリスク回避的な動きが一時的に強まる可能性がありますが、10月に入ってから発表された経済指標がいずれも予想を上回る好数値となり、足元の景況感に悪材料が見当たらないことからドル円相場も9/8に付けた107円台前半を底値として上値追いの流れが継続中です。

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