【見通し】株式明日の戦略-大幅安でチャート形状が悪化、先高期待が大きく後退

【見通し】株式明日の戦略-大幅安でチャート形状が悪化、先高期待が大きく後退

8日の日経平均は大幅反落。終値は632円安の38202円。小動きの米国株を受けても寄り付きから3桁の下落。安く始まった後も下押し圧力の強い地合いが続いた。心理的節目の38500円を早々に下回ると、前場のうちに下げ幅を500円超に広げた。

 後場に入ると安いところでは38100円台に突入。13時55分に決算を発表したトヨタは、今期が大幅な営業減益計画となったことで、発表直後は売り込まれた。しかし、大規模な自己株取得を併せて発表したことから、鋭角的に値を戻した。ただ、こういった動きも全体の支援材料にはならず、指数は下値模索が継続。600円を超える下落となり、安値圏で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆6900億円。業種別では海運とパルプ・紙の2業種のみがプラスで、倉庫・運輸が横ばい。一方、その他製品、ガラス・土石、保険などの下げが大きかった。昼休みに決算と併せて自己株取得・消却を発表した日本郵船が後場プラス転換から上げ幅拡大。半面、今期の見通しが市場の期待に届かなかった三菱重工業が後場に急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり466/値下がり1130。OLCが逆行高。ディズニーシーの新エリアが公開されてメディアで多く取り上げられたことが買い材料となった。霞ヶ関キャピタルやTOWAが商いを集めて大幅上昇。前期の純利益見通しを引き上げたOKIが年初来高値を更新した。ほか業績関連では、チャームケアや横河電機が急騰。上期決算が好感されたインソースがストップ高となった。

 一方、今期の大幅減益計画を提示した任天堂が5.4%安。ソニーGが連日の大幅安と、ゲーム関連の弱さが目立った。場中に決算を発表した伊藤忠が大きく崩れており、三菱商事や住友商事など商社株に売りが波及。AGC、リコー、ヤマダHDなどが決算を受けて派手に下げた。米10年債利回りの低下を嫌気して、第一生命やMS&ADなど保険株の多くが大きめの下落となった。

 日経平均は前日の上げ分(599円高)を打ち消す大幅下落。きのうの大幅高に大きく貢献したファーストリテイリングやソフトバンクGがきょうは弱かった。東京エレクトロンなど半導体株も弱かったが、こちらは前日の上げ分からすれば、下げがおとなしかった銘柄が多い。日経平均(1.6%安)とTOPIX(1.5%安)の下落率は同程度で、大型株に関してはグロース・バリューで濃淡はさほどつかなかった。一方、グロース250指数は0.2%安と小幅な下落にとどまり、場中の大半はプラス圏で推移した。リスクオフとは言いづらく、日経平均やTOPIXが大きく下げた理由がはっきりしない、つかみどころのない1日となった。

 日経平均はテクニカル的には25日線(38692円、8日時点、以下同じ)の上抜けに失敗し、きょうの下げで5日線(38390円)や75日線(38382円)を下回った。早々に切り返すことができないと、下向きの25日線が抵抗として強く意識される。ひとまずは切り返して5日線や75日線を上回ってほしいところ。一段安となって38000円を割り込むようだと、4月19日の取引時間中の安値36733円を試しに行く展開も想定される。

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ

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見通し 株式明日の戦略大幅安でチャート形状が悪化 先高期待が大きく後退

これら大手ハイテク企業の人工知能(AI)への投資は半導体需要が拡大するとの期待の裏付けとなってきた。好決算が発表されれば、半導体株への期待も再浮上する可能性がある。ただ、テスラの決算では減収減益が見込まれているうえ、TSMCの決算発表後の株価の値動きを考えれば、各社の発表内容が市場予想を上回っても株価が下落する展開も想定される。中東情勢悪化や半導体市場の成長減速への不安が今後の株式相場の見通しを悪くする中で、S&P500や日経平均がさらに下押しされるリスクもありそうだ。

宇宙ベンチャーのQPS研究所は黒字転換、中古車販売のIDOMは市場予想を大幅に上回る増益見通しを受けて、ともにストップ高を付けた。QPS研究所は小型衛星の開発と衛星画像の販売を行っており、宇宙関連銘柄として根強い人気がある。稼働機の増加による収益拡大への期待が一段と高まりそうだ。また、業績予想を大幅に上方修正したビックカメラも急伸。家電大手は巣ごもり需要の反動減が続くが、都市型店のビックカメラはインバウンド(訪日客)増加の恩恵が大きいようだ。

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