日銀 決定会合での主な意見を公表

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日銀 決定会合での主な意見を公表
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そうした議論が日銀内でなされている様子が表れている

日銀は31日、1月22〜23日に開いた金融政策決定会合の発言内容をまとめた「主な意見」を公表した。政策委員から「マイナス金利解除を含めた政策修正の要件は満たされつつある」と金融正常化へ手応えを示す声が多く上がった。出口への議論も本格化し、委員の意見は3、4月に予定する会合でのマイナス金利解除に傾きつつある。

今回の主な意見の全体的なメッセージは、金融政策決定会合後の植田総裁のコメントを踏襲しています。例えば、今後の政策運営を占ううえで重要となる物価見通しを、日銀が注視するコア消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)で確認すると、コアCPIは先行する企業物価指数(PPI)の低下に遅れて低下するが、その後別の要因で上昇するというイメージです(図表2参照)。

また、日本の物価については「既往の輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰していくもとで低下した後、再び上昇率が緩やかに高まっていくとみられる」との見方が記されています。後半部分の物価上昇のカギを握る賃金動向(図表1参照)次第ですが、賃金の先行きについて日銀政策委員会内部でも見方は割れているようです。

日銀が公表している需給ギャップを見ると、23年1-3月期はマイナス0.34%です(図表3参照)。展望レポートによれば、先行きの需給ギャップは23年度後半にはプラスに転じる可能性が指摘されています。ピクテの予想でも、ほぼ同時期に需給ギャップがプラスに転じることを想定しています。プラスの需給ギャップは、その程度にもよりますが、一般的にインフレ率の押し上げ圧力とみられています。仮に景気回復が続くようであれば、賃金動向に加え、需給ギャップも物価を左右する要因となる可能性が考えられます。主な意見にあるように、日本の賃金動向や需給ギャップは特に来年は不確実性が高いとみられ、今後発表される様々なデータに注意を払う必要があります。

なお、日銀は今回の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)の運用の柔軟化を決定したことはご案内の通りです。この決定で特筆すべきは物価動向が不確実であることを前提に行われたことです。まだ物価の再上昇が起きるかどうかもわからないうちに先手を打ったという点は前向きに評価されてもよいように思われます。

政策変更に前向きとも捉えられる、日銀による一連の情報発信を受けて、3月ないし4月の決定会合でマイナス金利は解除されるとの予想が市場のメインシナリオになっている。みずほリサーチ&テクノロジーズは、日銀が2024年春闘での賃上げモメンタムをある程度精査したうえで、物価目標達成が見通せる状況に至ったとして、「展望レポート」公表のタイミングに合わせて、4月にマイナス金利解除に踏み切るとの見方を維持している。

加えて、1月決定会合後の記者会見での植田総裁の発言は、遠くない将来の政策変更を織り込ませる意図を持った情報発信であり、日銀が政策変更に向けて歩を進めている様子が窺える。

日銀は、マイナス金利の解除など大規模な金融緩和策の転換を決めた先週の金融政策決定会合の「主な意見」を公表し、委員からは、マイナス金利解除後も急速な利上げは必要なく慎重な姿勢を強調すべきだといった、今後のいわゆる出口政策に関する発言が相次いでいたことがわかりました。

植田総裁はかねてより、政策変更の際の見極め材料として「賃金・物価の好循環」の実現を挙げてきた。物価上昇の賃金への波及を反映して、今春の春季労使交渉(春闘)では、大企業を中心に昨年を上回る賃上げが予想されている。一方、賃金から物価への波及については、賃金上昇が価格転嫁に結び付くか、企業の価格設定行動を見極める局面にある。そうした中で、日銀は1月の「展望レポート」に、賃金と物価の好循環のメカニズムを具体的に明記1したうえで、見通し実現の確度がより高まったとの認識を示した。日銀が、従来の慎重な姿勢から一歩前進した証左といえよう。

日銀は1月会合で大規模な金融緩和策の維持を決めていた。「主な意見」では会合時点で物価2%...

いったん低下したインフレ率を再び押し上げる要因として、賃金などがあげられます。ここで日銀の経済・物価情勢の展望(展望レポート)に示されている24年のコアCPIの予測を確認すると中央値は1.9%と、4月時点の予測である2.0%から下方修正されました。しかし、展望レポートで予測を示した日銀政策委員9名の予測の分布をみると、4名は2.1~2.2%と高めの予測をしている一方で、5名は1.8~1.9%と低めの予測をしています。主な意見でも指摘されているように物価を巡る不確実性は高いことがうかがえます。

1月31日に公表された「金融政策決定会合における主な意見」は、同月の決定会合で交わされた議論を具体的に明らかにしたが、その内容は、日銀の情報発信の意図を窺わせるものだった。公表された文面には、政策変更を前提とした発言が多くみられたことに加え、金融政策の正常化の第一歩となるマイナス金利解除後の政策や金融環境まで幅広く議論がなされたことが表れている(図表2)。

さらに、政策変更の際の条件についても、植田総裁は「需給ギャップがはっきりプラスでないと物価目標に達しないわけではない」「実質賃金が近い将来プラスに転じる見通しができれば政策変更可能」と発言した。全ての指標が「青信号」でなくても、日銀が政策の変更に踏み切る可能性はある。

例えば、「マイナス金利を解除しても極めて緩和的な金融環境は当面続く」との発言だ。短期政策金利を現在の▲0.1%から0%に引き上げても、物価上昇率がこれを上回る限り実質政策金利がマイナスの状態は続く、すなわち、緩和的な金融環境が維持され、現状から大きな変化は起きない。そうした議論が日銀内でなされている様子が表れている。また、「大きな不連続性が発生する政策運営は避けられる」との発言も、正常化の第一歩となるマイナス金利の解除後も、その時々の経済・物価・金融情勢に応じて利上げを判断すると日銀が考えている証左ととれる。

日本銀行が物価見通しに自信を持ち始めている。2024年1月の日銀・金融政策決定会合(1月22日・23日)は現状維持を決定したが、会合後に公表した「展望レポート」には「見通しが実現する確度は、引き続き、少しずつ高まっている」との文言が明記された。市場では、マイナス金利解除に向けた地ならしを進めるコミュニケーションとの受け止めが広がった。

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