ヨーカ堂 撤退したアパレルで挑戦

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ヨーカ堂 撤退したアパレルで挑戦
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ヨーカ堂 撤退したアパレルで挑戦

特集「WBSクロス」。今回のテーマは「アパレル事業再生」です。先週セブン&アイ・ホールディングスが、上場を検討すると発表した子会社「イトーヨーカ堂」が、撤退したはずの「アパレル事業」で新たな挑戦を始めています。その挑戦とは、アパレル国内第3位のアダストリアと組んで新ブランド「ファウンドグッド」を立ち上げることでした。現場を取材しました。

「セブン&アイグループの足を引っ張っていたのが、百貨店の『そごう・西武』とヨーカ堂。そごう・西武は紆余曲折の末に昨年に売却を完了させ、残るはヨーカ堂となった。26年2月末までに黒字転換するとの構造改革計画を発表しているが、これを信じる向きは少ない。

ヨーカ堂はこれまで、衣料品事業に対してさまざまな改革に挑戦していた。

イトーヨーカ堂衣料品の過ちを忘れ、似たような効率化の誘惑に流れたコロナ前のしまむらは顧客が離反してジリ貧に陥ったが、コロナを契機に原点回帰してベンダー活用でバラエテイと鮮度を回復してから一気に業績が上向いた。

セブン&アイHDはヨーカ堂の再上場を目指すとしているが、現状を見る限り再建はかなり難しいと感じる。首都圏の食品スーパーに特化して、地方の店舗は他社への譲渡などを通じて徐々に縮小させていくものと思われる」

イトーヨーカ堂の山本哲也社長インタビュー「食を中心に経営資源を集中」

アダストリアが、自社での衣料品企画販売から撤退していたイトーヨーカ堂に商品を供給することが分かった。GMS(総合スーパー)向けアパレルブランド「ファウンドグッド(FOUND GOOD)」を立ち上げ、2月15日からイトーヨーカ堂木場店、立場店で販売を開始。6月までに64店舗に売場を順次展開していくという。

アダストリアは、ファウンドグッドの供給開始に先駆けて、2023年末にライフスタイルブランド「スタディオクリップ(studio CLIP)」のフランチャイズ店舗をイトーヨーカ堂内に出店。フランチャイズ店舗の売上は好調で、特に30〜40代の女性に支持されているという。アダストリアの広報担当者は「事業拡大の1つとしてGMS衣料品にも取り組んでいる。今後も他社からの依頼があれば前向きに考えたい」と話した。

今回の商品供給では、アダストリアでBtoB事業を手掛けるビジネスプロデュース本部が商品の企画、生産を担当。売場作りやプロモーションも同社が請け負い、イトーヨーカ堂スタッフに向けて商品説明会の機会を設けるなど、商品だけでなくサービス全般においてノウハウを提供する。接客や空間演出などもブランドの1つだと考えているアダストリア側がサポートを申し出た形だという。

イトーヨーカ堂衣料部門の凋落から学ぶべき教訓は、商圏規模(客数)と品揃えの間口(バラエティ)、売り手都合の効率化と顧客利便の折り合いなど小売の基本原則に加え、経営方針の現実対応や組織のあり方、経営リーダーの賞味期限が挙げられよう。

新たにイトーヨーカ堂で展開するファウンドグッドの売場面積は、約330~990平方メートル。15日に売場を開いた木場店は今後の店舗展開のモデル店舗と位置付け、オープンに際し既存の衣料品売場の内装や什器などを改装した。商品構成はウィメンズ約45%、メンズ約25%、キッズ約5%、雑貨約25%。価格帯は以前展開していたイトーヨーカ堂の自社製品と同程度で、アウターで税込3900〜9800円、ブラウスで税込1900〜3900円、カットソーで税込900〜4900円、ボトムスで税込2900〜4900円、服飾雑貨で税込1000〜3900円としている。

イオンのモール戦略に対抗して郊外や地方に店舗を広げたことも、絞り込み政策とは相容れなかった。首都圏の高密度立地で成り立っていたイトーヨーカ堂衣料品の高販売効率は郊外や地方の低密度立地では成り立たず、少ない客数に絞り込んだ品揃えでは売上は期待を大きく下回った。

イトーヨーカ堂は、構造改革を推進するためとして2023年3月に長年の売上不振に苦しんできたアパレル事業からの撤退を発表。グループ戦略の軸である「食」にフォーカスする方針転換を掲げていた。

「北米コンビニ事業も減速の兆候があり、国内コンビニ事業も業界全体で店舗数が飽和し過当競争に突入しており、強い危機感を持っている。また、グループの総帥だった鈴木敏文元会長兼CEOが退任して時間がたち、創業者である伊藤雅俊氏が昨年亡くなったという要素も大きい。そごう・西武とバーニーズの取得を決断したのは鈴木氏であり、またヨーカ堂はセブン&アイHDの祖業。2人の存在感が大きければ、いくら不採算事業といえども大ナタを振るうことは難しい。足かせがなくなった今、セブン&アイHDがヨーカ堂事業から撤退するのは時間の問題だという見方もある。

コンビニ事業を成功させ、米国7-Eleven.incも買収して世界最大のコンビニ事業に育て上げた経営手腕は評価されるが、スーパーストア事業や百貨店事業では成果を出せず、アパレル事業のセンスも欠いていた。とりわけ伊勢丹出身の藤巻幸夫氏を取締役衣料事業部長に招聘して06年春に仕掛けたイトーヨーカ堂衣料部門の百貨店的変身は下駄履き感覚の顧客を離反させ、決定的な致命傷となった。鳴物入りで15年11月に立ち上げたグループ横断のオムニチャネルサイト「オムニ7」も取扱高が伸びず、19年2月期の1131億9300万円をピークに減少が続き、22年2月期は1010億9700万円に留まって23年1月に終了している。

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