一時1ドル155円台 日銀の出方焦点

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一時1ドル155円台 日銀の出方焦点
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一時1ドル155円台 日銀の出方焦点

▼18日(木)の為替相場 (1):豪雇用者数は予想外の減少 (2):神田財務官発言で円買いに傾く (3):米新規失業保険申請件数は低位安定 (4):NY連銀総裁「利上げもあり得る」 (5):日銀総裁「金融政策の変更もあり得る」

円相場は日本とアメリカの金融政策をめぐる投資家の思惑からここ数年、大きく動いてきました。欧米各国の中央銀行がインフレの抑制に向けておととし以降、急速に利上げを進めたのに対して日銀はマイナス金利政策をはじめとした大規模な金融緩和策を続けてきました。こうした日本と欧米との金融政策の方向性の違いから円安が加速します。2022年9月、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会が大幅な利上げに踏み切った一方、日銀が大規模な金融緩和を維持。黒田総裁の利上げを否定する発言もあって円相場は、1ドル=145円台後半まで急落し、政府・日銀はおよそ24年ぶりとなるドル売り円買いの市場介入に踏み切りました。しかし、10月には、アメリカの利上げのペースが速まるという見方から、再び円安が進み、円相場は、10月20日、およそ32年ぶりに150円台まで値下がりしました。日本時間の21日深夜から22日の未明にかけて1ドル=151円台後半まで下落したところで、政府・日銀が介入の事実をあえて明らかにしない「覆面介入」を実施。円相場は1ドル=144円台半ばまで一気に7円以上円高が進みました。ドル円相場、2023年は1ドル=130円程度でスタートしました。ただ、アメリカでインフレが長期化し、金融引き締めが強まるとの見方から、金融緩和を続ける日本との金利差が拡大、じりじりと円安が進みます。2023年5月に1ドル=140円台、6月には145円台まで値下がりしました。日銀は7月下旬、金融政策の運用を柔軟化し、長期金利の一段の上昇を容認。為替市場の過度な変動を抑えるねらいもありましたが、その後も円安は進みます。そして、2023年11月、FRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長が市場で広がっていた利上げ終結の観測をけん制したことなどから円相場は11月13日に一時、1ドル=151円92銭まで円安ドル高が進み、1990年以来の円安水準である1ドル=151円95銭まであと3銭に迫りました。その後はアメリカの長期金利の上昇傾向が一服し、日銀が大規模な金融緩和策を修正するのではないかという見方も広がったため、2023年12月には140円台までじわじわ円高が進みます。ことしに入ってからはアメリカでは根強いインフレを背景に利下げの時期が遅れるとの見方が広がり、2月には1ドル=150円台まで円安が加速しました。日銀は3月19日にマイナス金利政策を解除し、17年ぶりに金利を引き上げることを決めました。利上げであれば一般的には利回りが見込まれる通貨が買われ円高となるはずですが、植田総裁が記者会見で追加の利上げを急がない考えを示唆したことで市場では今後も緩和的な金融環境が続くという見方が広がり、151円台後半まで円安が進みました。そして3月27日に日銀の審議委員の講演で、追加の利上げについて踏み込んだ発言がなかったという受け止めが広がると、円相場はおととし10月につけた1ドル=151円94銭より値下がりして、1990年7月以来、33年8か月ぶりの円安ドル高水準となりました。その後もアメリカでインフレの根強さなどを示す経済指標が公表されるたびに円安が加速し、▽4月10日には消費者物価指数の発表を受けて153円台▽4月15日には小売業の売上高の結果を受けて154円台をつけました。さらに4月16日に開かれたイベントでFRBのパウエル議長が利下げに踏み切るまでにはさらに時間を要するという認識を示したことを受けて、円相場は一時、1ドル=154円79銭まで値下がりして円安ドル高水準を更新しました。4月17日にワシントンで開かれた日米韓3か国の財務相会談では、急速な円安や韓国の通貨・ウォンの値下がりに対する懸念が共有され、共同声明が公表されましたが、円安の流れを反転させるものにはなりませんでした。4月19日にはイスラエルがイランを攻撃したと報じられたことでリスクを避ける動きが強まり、円相場は、一時、1ドル=153円台半ばまで値上がりする場面もありましたが、影響は限定的との見方が広がったことで再び円売りドル買いが進みました。

昨日のドル/円は154円台後半へと小反発。財務省の神田財務官がG7で日本の主張も踏まえ為替のコミットメントが再確認されたと述べたことなどから154円台を割り込む場面もあったが、153.95円前後で下げ止まると早々に持ち直した。海外市場ではNY連銀のウィリアムズ総裁が年内利下げなしの可能性に言及したことなどから米長期金利が上昇。これを受けて154.68円前後まで強含んだ。本日は、日本政府・日銀による円買い介入の「レッドライン」との見方もある155.00円を試す動きとなるかが焦点となりそうだ。155.00円付近には大量のノックアウトオプションが設定されているとの観測もある。オプション絡みの防戦売りや円買い介入への警戒感から突破は容易ではないと見るが、仮に上抜ければ上昇に弾みが付くことも考えられるため攻防の行方に注目したい。もっとも、155円台に上伸すれば介入発動の可能性も一段と高まるのは必至。17日の日米財務相会談で、米側は日本のドル売り・円買い介入について一定の理解を示したと見られることから、2022年10月のようにNYタイムの発動があってもおかしくない。本日のドル/円は、1ドル155円の「レッドライン」を上抜けするにせよしないにせよ値動きが不安定化しそうだ。

Shinji Kitamura [東京 24日 ロイター] - 日本時間24日午後9時過ぎ、外為市場でドルが155円台へ一時上昇し、1990年6月以来34年ぶりの高値を更新した。上昇は瞬間的ですぐに154円台へ反落したが、重要な節目と位置付けられていた155円台を上抜けたことで、市場では円買い介入への警戒感が一層高まることになりそうだ。

鈴木財務相はG20財務相・中銀総裁会議後の記者会見で「為替市場の動向について日韓・日米・日米韓の枠組みで緊密な意思疎通ができた」と表明。植田日銀総裁は「(円安で)無視できない大きさの影響が発生した場合には金融政策の変更もあり得る」とした上で、円安の影響については「今度の(4月の)展望リポートで数値的にも示せると思う」と述べた。

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