来週の為替予想(ポンド/円 ユーロ/円) 「早期利下げ観測・米中通商問題・中東リスク、上値重いか」ハロンズ FX 2024/4/21

来週の為替予想(ポンド/円 ユーロ/円) 「早期利下げ観測・米中通商問題・中東リスク、上値重いか」ハロンズ FX 2024/4/21
 

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2024年4月19日 15時10分

早期利下げ観測・米中通商問題・中東リスク、上値重いか

ユーロ/円、ポンド/円は後半迷走

ユーロ/円、ポンド/円は戻りを試す展開。欧州や英国の利下げが米国よりも早期に実施されるとの観測はあったものの、円買い介入への警戒心が緩んだ隙をついて、ユーロ/円は164.952円、ポンド/円は192.842円まで戻しました。ただ、中東情勢の混乱から、終盤にユーロ/円は163.020円、ポンド/円は190.305円まで下押した後に、ユーロ/円は164円前半、ポンド/円は191円後半へ切り返すなど、振幅の荒い展開になりました。(各レート水準は執筆時点のもの)

FXのライブ解説、G7 ドル高懸念高まらず、ドル円は154円台を維持 (2024年4月18日)

※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

米中貿易摩擦再燃?

ラガルドECB総裁は「利下げの道筋を約束しているわけではない」としながらも、「大きなサプライズがない限り、ECBは近く利下げするだろう」とこれまでより少し踏み込んだ発言をしています。6月に発表される賃金動向データを確認するまでは最終判断は分かりませんが、市場は既に利下げを織り込んでいます。こうした点で、ユーロの頭はこれまで以上に重くなった感はあります。

既に6月利下げを織り込んでいるため、短期的には調整的な動きから戻りを試す可能性はあるものの、市場の目線は6月以降の利下げの行方に向かっており、来週発表されるユーロ圏の製造業・サービス業PMIがさえない結果となれば、さらなる利下げ期待が強まる危険もあります。また、バイデン政権が中国製鉄鋼の関税を3倍に引き上げる方針を示すなど、米中通商問題の不透明感もユーロの頭を抑える可能性があります。ユーロ/円は円安動向次第の部分はありますが、ユーロに倣って調整的な動きが中心となるかもしれません。

ユーロ/円は上昇チャネルの下限付近で下髭の長いローソク足が出現し、底堅さは意識されるものの、上方向のレジスタンスラインも薄っすら明確になってきており、上値の重さも意識されます。上下両方向を睨む展開が続きそうですが、パラメーターが(3、3)のスローストキャスティクスでも、上方向が抑えられている点を考えると、下方ブレイクを警戒すべきではないでしょうか。終値ベースで21日移動平均線を割り込んできたときは、3月20日の高値(165.349円)を起点としたN計算値の162.179円や心理的節目の161.000円を目指しそうです。

【ユーロ/円チャート 日足】

EUR/JPY日足チャート
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/JPY:160.000-166.000

英ベイリー総裁、インフレ鈍化に自信

ベイリー英中銀総裁は「インフレ率が来月には急低下し、目標の2%へ大きく近づく」との見通しを示しています。理由は「英国には独特の家庭用エネルギー料金設定制度がある」ためだそうです。これが事実かどうかは来月の指標を見るまで分かりませんが、事実とすれば現在見通し荒れている8月利下げが前倒しされる可能性もあるかもしれません。ポンドはしばらく上値の重い展開となりそうです。ポンド/円は円主導でもう少し上値を試しそうですが、ポンドが対米ドルで頭打ちとなる中で、ポンド/円だけが上昇を続けるのも難しく思えるため、上昇の勢いは限定され、次第に上値が切り下がる展開になるのではないでしょうか。

ポンド/円は、期間21日のボリンジャーバンド(BB)の中心付近まで戻し上昇の勢いが一服しています。トレンド転換したとは言えませんが、期間9日のRSIも50%を割り込んできており、徐々に上昇チャネル下限を下回る動きが強まっていきそうです。

【ポンド/円チャート 日足】

GBP/JPY日足チャート
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:GBP/JPY:187.000-194.000

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一言コメント

テスラが日曜日の真夜中解雇。アメリカならではのドライな対応とも思うものの、少し恐怖も感じます。本当にこれで良いのでしょうか。

 
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来週の為替予想 ポンド 円

ポンド円が21日線の突破に成功しても、下落基調のトレンドチャネルを完全に上方ブレイクしない限り、戻り売りを警戒する相場が続くと予想する。

2026年11月のポンド円予想。当月始値 221.59、最低 221.59、当月最高 231.66。平均 225.77。月末 228.24。変更 3.0%。

2021年にEU離脱の移行期間が終了し、「合意なき離脱」を回避すると、コロナショックからの世界的な景気回復に伴い、金融正常化に向けた動きや金利先高観がポンド相場を支えました。そして12月、同年最後のMPC(金融政策委員会)で3年4か月ぶりとなる利上げが決定されました。 2022年は、ウクライナ情勢緊迫化による市場のリスクセンチメントの悪化や資源・エネルギー価格の高騰を受けて、ポンド円は上値の重たい展開となりました。一方、マーケットでは、同年3月のアメリカ・FRB(米国連邦準備制度理事会)の金融正常化を転機に、日本との金利差及び金融政策の方向性の違いに着目した円売りが活発化し、ポンド円は底堅く推移しました。その後はトラス前政権による大規模減税政策の発表を受けて、財政悪化への懸念などからポンドは全面安の展開となるも、BOE (イングランド銀行)の国債市場への介入や首相交代を経て持ち直しに転じました。 2023年も、BOEは国内のインフレ抑制に向けタカ派姿勢を維持、引き締め開始からここまで14会合連続の利上げ実施により、政策金利は5.25%まで2008年ぶりの高水準に達しています。さらに市場では年内複数回の利上げを織込む動きの中で、ポンド円は上昇トレンドを形成して185円台に乗せており、ブレグジット国民投票の前年2015年ぶりの高値水準に迫るなど、マーケットにおけるポンドの存在感が際立っています。

実際にこの状況が確認される場合、それはポンド円がさらに下値をトライするシグナルになり得る。

2027年5月のポンド円予想。当月始値 226.47、最低 220.85、当月最高 227.57。平均 224.78。月末 224.21。変更 -1.0%。

2027年6月のポンド円見通し。当月始値 224.21、最低 224.21、当月最高 233.83。平均 228.16。月末 230.37。変更 2.7%。

1時間足チャートで直近の動向を確認すると、ドル円はすでに短期サポートラインを下方ブレイクしている。次の焦点は149.00レベルの維持となろう。この水準をトライするシグナルとして、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準149.14レベルの攻防に注目したい。

2027年7月のポンド円予想。当月始値 230.37、最低 230.37、当月最高 240.84。平均 234.72。月末 237.28。変更 3.0%。

ポンドドル(GBP/USD)が、ひとまず1.21台の維持に成功している状況も考えるならば、今日のポンド円は、新たな上値の水準を探ることが焦点となろう。

なお、ポンド円がこれら重要テクニカルラインをも下方ブレイクする場合は、レジスタンスからサポートへ転換する可能性のある172.00レベルを視野に下落幅がさらに拡大する展開を警戒しておきたい。

2028年1月のポンド円予想。当月始値 242.50、最低 242.50、当月最高 251.21。平均 245.93。月末 247.50。変更 2.1%。

NZドルは、第1四半期消費者物価指数(CPI)が前期を上回ったことや、100日移動平均線が下値支持線として意識されたことなどから、91円台でのしっかりと推移となった。

2028年5月のポンド円予想。当月始値 252.99、最低 251.79、当月最高 259.45。平均 254.96。月末 255.62。変更 1.0%。

2026年7月のポンド円予想。当月始値 223.75、最低 219.69、当月最高 226.39。平均 223.22。月末 223.04。変更 -0.3%。

英中銀イベントがあった9月21日の下落局面では、180.84レベルでサポートされた。27日は安値180.89レベルで相場が反発した。これらの動きは、180.80台が重要なサポートの水準として意識されていることを示唆している。ゆえにポンド円(GBP/JPY)が180.80台を完全に下方ブレイクする場合は、節目の180.00をトライするシグナルと想定しておきたい。

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